世界における水の偏在が急速に進みつつある = 2-1 = 第 2,735 号

日本は「水ボケ」に陥っている――
そう警鐘を鳴らすのは、
水環境の専門家として世界で活躍する
グローバルウォータ・ジャパン代表の
吉村和就さんです。

蛇口をひねれば当たり前のように水が出てくる
日本では実感しにくいですが、実は自国に水源
があり、それを安全に利用できる国は、193か国
の国連加盟国のうち僅か21か国しかありません。

そのため、世界では水を巡る熾烈な争奪戦が行わ
れており、今後、世界人口の増加や地球温暖化
などによって、日本でも飲料や産業に必要な
水が十分に手に入らなくなる危機的状況になる
可能性があるのです。

─────────────────

(吉村)
数年前、来日したサウジアラビアのサルマーン
国王とホテルで懇談した時のことである。
ルームサービスで水が提供されるのを見た国王が
怪訝な顔をして、「私は水を注文していない」と
おっしゃるのを聞いて、我われ日本人との認識の
違いを実感した。砂漠に住む彼らにとって水は
大変希少であり、有償で飲むのが常識なのだ。

自国に水源があり、それを安全に利用できる国は、
国連加盟国193か国のうち僅か21か国しかない。
大半の国は、多国間を流れる国際河川に水源を頼り、
激しい水の争奪戦を余儀なくされているのである。

恵まれた自然環境と先人の努力のおかげで
豊かな水資源を享受してきた我われ日本人は、
残念ながらそうした世界の現実に疎く、
水の大切さや、水を守ろうとする意識に乏しい
「水ボケ」状態に陥ってしまっている。

私は水環境の専門家として国連の環境審議官を
経て、世界が直面する水の問題に長年取り組ん
できた。活動を通じて、日本の豊かな水環境は
決して未来永劫盤石なものではないことを痛感
すると共に、日本人が水の重要性に目覚め、
一刻も早く「水ボケ」の状態から脱却しなけ
れば、世界が直面する深刻な水問題に
早晩呑み込まれてしまうという強い危機感
を抱いている。

●水資源はすべての経済活動の源
●外国資本に買収される日本の水資源
●水環境は国家の盛衰を左右する

など、吉村先生に水を巡る危機的現実と
その処方箋を語っていただきました。
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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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