「まさか」に備えるのが安全保障である = 2-2 = 第 2,883 号

 居合の構えが紛争を抑止する。台湾有事は

起こさせてはならない。

 台湾有事が起きれば、米軍の本格来援まで、

台湾と日本が矢面に立つ。日本は西太平洋

の出城である。

 有事が起これば、数多くの在中国日本企業も、

米国企業も、出国を拒否され、送金を遮断

され、人質に取られるかもしれない。

 日本が輸入のほとんどを中国に依存する

レアアースも止まる。

 台湾が破壊されれば、世界の最先端微細集積回路

を搭載した、半導体製造を一手に引き受けている

TSMCは、破壊されるかもしれない。クリーン

でデジタルな未来社会を支える半導体は、

現代社会の基盤たる戦略物資である。

 孫子の兵法の中国は、敵の虚をつく。静かに

腰を落とし、柄に手をかけて、居合の構えを

見せていれば紛争は起きにくい。ぼーっと

しているとまた「予想外」の有事になる。

 最高指揮権を持つ指導者が軍に出動を命じる

とき、それをだれも止めることはできない。

誰かが最高指導者を暗殺して命令を変え

ない限り、軍は怒涛のように動き始め

る。軍を止めるのは、軍しかいない。

 台湾海峡紛争を抑止すべきなのは当然である。

外交努力を積み重ねるのも当然である。

 外交が行き詰ったとき、紛争が武力紛争に転じ

ないように、構えているのが軍の仕事である。

最良の結果を生もうとするのが外交官であり、

最悪事態に静かに備えるのが軍である。

 なぜティックトックは駄目なのか。入力して

いるさまざまな情報、姓名、生年月日、位置

情報、クレジットカードの番号が、おそ

らく全部、中国のサーバーに抜かれているからだ。

 彼らはそれをスーパーコンピュータを使って

高度なインテリジェンス情報に加工できる。

ごみの山からダイヤモンドが生まれるの

だ。AIは、人間がペーパーで情報を

分析すれば数年かかる作業を一瞬で

やってしまう。

 一見どうでもいい大量のデータ自身が、人工

知能のおかげで非常に価値の高いインテリ

ジェンスを生む。宝の山なのである。

中国やロシアには、これらはそも

そも個人情報だから盗んでは

ならないなどという遠慮はない。

 20年前、小泉純一郎首相がアフガニスタン

での米軍による「不朽の自由作戦」に対し

て、海上自衛隊の護衛艦などを派遣した。

首脳間では、人の戦争に自国の軍隊を

出すというのは、相手への最大級

の貸しになる。

 デジタル・インテリジェンス・コミュニティは、

世界中の国にあって、その中核は外務、防衛、

情報機関である。

 日本政府は、いつも電話連絡で「もしもし」

なのだ。さすがにファックスでのやり取りは

やらないが、もっとも危険な情報のやり取

りは、ペーパーで行う。絶対にハック

されないので安心ではある。サイバー・

セキュリティの脆弱さと、その怖さ

を知っているからこそ、ペーパー

に逆行するのである。

イスラエルのベエルシェバには世界最高のデジタル・

セキュリティの本拠地があって、世界中の才能が

集まっている。

 依然として日本のサイバー・セキュリティは

少年ハッカー対策のレベルにとどまっている。

外国の軍や諜報機関のプロが突っ込んでき

たら、一瞬でやられてしまう。

 デジタルの世界やAIの世界は、

民間のほうが軍より強い。

兼原信克 (著)『安全保障のリアル。

        現実主義者のための』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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