ヒトが何かを食べるとき、その食べ物に込め
られた「物語」も一緒に味わっている――そ
んなセリフを聞いたことはないでしょうか。
歴史のロマンを玩味するにせよ、知識欲の
渇きを潤すにせよ、深く知れば知るほどに、
その味わいもまた深まるというもの。
「イギリス近代化の陰にコーヒーあり」「フ
ランス革命の陰にもコーヒーあり?!」「世界
のコーヒーをナポレオンが変えた?」「コ
ーヒーで成り上がった億万長者たち」
「東西冷戦とコーヒーの意外な
関係」……などなど、学校
で歴史の時間に習った
いろんな出来事が、じつは
意外なかたちでコーヒーとつながっ
ていることに、きっと驚かされるでしょう。
近年話題の「スペシャルティ」「サード
ウェーブ」「純喫茶」なども、じつは
混乱の多い言葉なのですが、それ
ぞれの歴史をきちんと知れば、
「なるほど、そうだったのか!」と
目からウロコが落ちて、すっ
きり理解できることでしょう。
歴史を知ればおいしさが変わる
コーヒーは、まさにその最たる例です。
カップ一杯のコーヒーの中には、芳醇な
ロマンに満ちた「物語」の数々
が溶け込んでいます。
その液体をロにするとき、意識するしない
にかかわらず私たちは「物語」も同時
に味わっているのです。
コーヒーの歴史を知ることは、その「物語」
を読み解くことに他なりません。
じつは、歴史を知っているのと知らない
のとでは、コーヒーのおいしさの感
じ方が違ってくるのです。
歴史上のエピソードは、純然たる史実その
ものより、多少の誇張や脚色が混じって
でも面白みが増えた「物語」のほう
が、人々にもてはやされ、広ま
りやすくなるものです。
そして、面白くて魅力的な物語は「情報
のおいしさ」だけでなく、大きな
宣伝効果を生み出します。
となれば当然、商魂逞しい人々がそれ
に目を付けないわけはありません。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!