ゼロイチ――。すなわち、「0」から「1」を生み
出す力を日本企業は失っているのではないか?
そんな指摘がさかんにされています。
そこで、トヨタで同社初のスーパーカー「レクサス
LFA」やF1など数々のゼロイチにかかわった後、
孫正義氏から直々にPepperの開発リーダー
就任を依頼され、市場に受け入れられる世界初の
人型ロボットを世に送り出した著者
トヨタやソフトバンク・Pepperの仕事での実体験
を豊富に紹介しながら、「発想法」「社内の動かし
方」「プロジェクト・マネジメント」「キャリア
形成」などについて、ゼロイチを成功させる
ために現場で“大汗”をかいてきた著者に
しか書けない「リアルな教訓」が
ぎっしりと詰まった一冊です。
誰かがつくった1を10にする仕事ではなく、自分
の手で0から1を生み出すような仕事をしたい。
「とにかく、やってみる」から学びが深い。
深く考えすぎずに、やってみるからこそ、
いろいろな経験をすることができる。
とくに重要なのが、失敗体験。
失敗経験を積み重ねることで、新しいこと
にチャレンジするときの「勘所」を
体得できるようになる。
不満を掘り下げると、アイデアが生まれる。
快感の先にしかゼロイチはない。
「ひらめきの快感」をひたすら追い求める。
ひらめきは気持ちがいい。
そのように、ぼくたちの脳はできている。
「意識的な思考」と「無意識の思考」は、
ゼロイチにおいて車の両輪の関係にある。
サイコロを振らなければ、
絶対に「あたり」はでない。
「偏った経験」がゼロイチを生み出す。
「無意識の記憶の海」がひらめきの源である。
ひらめきとは、経験によって学習した膨大
な「無意識の記憶の海」を土壌に
して生まれるものだから。
さまざまな経験を積み重ねるべし。
ほかの人にはない経験の積み合わせを持つこと。
これがゼロイチにとって決定的に重要。
偏った経験が独特なアイデアを生み出す。
「やりたいこと」をやると、「無意識」
が鍛えられる。
やりたい、面白そうだ、と思った
ことをやってみることが大事。
ハードワークなくして、ゼロイチなし。
「意味のある無駄」を最大化する。
「日本人は労働生産性が低い。もっと効率的
に働くべきだ」という声を耳にする。
しかし、ゼロイチをやるうえで、僕は、ハード
ワーク以外の働き方を想像できない。
ゼロイチの成否は、「意味のある無駄」
を厭わず、いかにそれを積み重ねるこ
とができるかに、かかっている。
ゼロイチは、膨大な無駄の果てに生まれる。
スティーブ・ジョブスは、20年もの長きに
わたって、痛烈な失敗に屈することなく、
普通の人が一生で経験する何倍、
何十倍もの経験を積み重ねるなかで、ジョブス
の中に、すさまじいまでの「無意識の知」
が蓄積していった。
ぼくは、それを表現したのが、彼がスタンフォード
大学の卒業式のスピーチで語った
「コネクティング・ザ・ドッツ」だと考える。
大学生のころ、カリグラフィ(文字を美しく
見せる手法)の授業に潜り込んでそれに没頭
した経験が、意図せずとも、結果的に後の
マッキントッシュのフォトデザインに
活かされたというエピソードを紹介した。
そして、人生のなかで一生懸命やってきたことは、
一見無関係のように見えて、後で振り返ると、
その点と点が結びついて、線となり、
最終的にひとつの「絵」をつくっているという
趣旨の話だ。
ただ、ここで言われたカリグラフィとマッキン
トッシュの例は、美しくわかりやすい
トピックを選んだだけだと僕は思う。
そうではなく、彼が人生のなかで味わってきた
すべての経験、特に、20年間の辛酸をなめ
続けた経験の一つひとつが「点」となり、
それらが縦横無尽に結びつくことに
よって、imac、ipod、iphone
などの「絵」を
生み出したのだと思う。
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ソフトバンクで鍛えた思考法』
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!