いかに人間を育てるかを考えて今日までやってきました 第 2,378 号

渋沢栄一の『論語と算盤』は
いまや人々に広く知られるようになりましたが、
その火つけ役となったのが
当時、北海道日本ハムファイターズ監督だった
栗山英樹さんです。

栗山さんは大谷翔平をはじめとする選手たちに
この本を推奨。

人間的成長のための道標とするよう伝えて
こられました。『致知』4月号の記事の中から、
栗山さんの思いが伝わってくる箇所を
ご紹介します。

対談のお相手は、論語講師として活躍中の
安岡定子さんです。


───────────────────

(栗山)
僕が選手たちに『論語と算盤』を配るのは、
野球人としての成功はもとより、それ以上に
人間としての成功を掴み取ってほしいと
願うからでもあるんです。

その意味では待ってあげなくてはいけない立場
なのですが、ただ、僕たちプロ野球の世界では
何よりも結果が求められるし時間も限られて
います。『論語と算盤』には「大丈夫、大丈夫」
と優しくしている先輩の元ではよき後輩は育た
ないという話もありますし、厳しさと優しさの
バランスを取りながら、いかに人間を育てるかを
考えて今日までやってきました。


(安岡)
そのようにして、厳しい勝負の世界を
生き抜いてこられたのですね。

(栗山)
プロ野球は百人足らずの選手の組織ですけど、
バランスという点では球団、チームという
大きな目線と、選手やスタッフという
小さな目線を常に持っていることが求め
られるんです。


規模は全く違いますが、渋沢さんも常に
天下国家という大きな視点で物事を見つめ、
公のために必要と思ったら、
誰が何を言おうと水道を整備したり、
銀行をつくったり、そのためのお金を
集めたりされました。


世の中には反対する人、悪事を働く人がいる
のも当然のこととして認めて、これらの大事業
を進められた。僕が自分のチームを
勝たせることすらできていないのに、
渋沢さんになぜそれができたのかを思うと、
一体どれだけの大人物なのだろうかと
考えてしまいますね。

また、そういう無理と思えることを次々と
成し遂げていった先輩がいてくださる
ことに僕はとても救われるんです。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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