日本経済界の重鎮・牛尾治朗さんの
若き日のエピソードです。
牛尾さんは、当時秘書として仕えられた
東京銀行の支店長からよく、「おい
牛尾君、飲みに行こう」と声を
かけられ、酒の飲み方に
ついて教えられたそうです。
────────[今日の注目の人]───
牛尾 治朗(ウシオ電機会長)
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私は大学を出て東京銀行へ入行後、程なく
神戸支店へ配属となり、当時支店長を務めて
おられた木村喜八郎さんの秘書をしていた
時期があります。
(中略)
豪放磊落な木村さんは、仕事の後でよく
「おい牛尾君、飲みに行こう」と、有名な
アカデミーというバーへ私を連れて行き、
若手行員にはなかなか手の届かない高級酒を
振る舞い、労をねぎらってくださいました。
当時はまだ外国に行く人は稀でしたが、海外の
勤務が長く、欧米の事情に精通しておられた
木村さんは、これはアメリカのダレス国務長官が
賓客に振る舞って喜ばれたレミーマルタンという
ブランデーなんだよ、などと蘊蓄を傾けながら、
「牛尾君、くだらん酒をたくさん
飲むより、いい酒を飲めよ
と繰り返しておられたのが、いまでも
大変印象に残っています。
私はその後、アメリカへ留学し、帰国後に
ウシオ電機を創業したため、あいにく木村さんと
ご一緒する機会はなくなりましたが、
その代わりにしばしば酒席をともにさせて
いただいたのが、その頃から教えを請うよう
になっていた安岡正篤先生でした。
ある時、木村さんから言われたことを思い
出してお話しすると安岡先生は……、
※この時、安岡先生は牛尾さんに酒をいた
だく上での大切な心得を諭されます。
人間を深く洞察された安岡先生らしい
酒席の心得とはどういうもの
だったのでしょうか。
『致知』2016年6月号
連載「巻頭の言葉」P4
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。 感謝!