こういう状況で助かった人を見たことがありません 第 2,498 号

「賢者は歴史に学ぶ」といいます。
いまを生きる私たちに貴重な
知恵を授けてくれる歴史。
そこには、母親のお手本となる
素晴らしい女性も数多く登場します。

「博多の歴女」として、
日本の歴史や文化の伝承活動に
取り組む白駒妃登美さんに、
子育てに奮闘する女性に
ぜひとも知っていただきたい
歴史エピソードをご紹介いただきました。

─────────────────

〈白駒〉

「そんなの大したことないわよ」

サバサバして肚の裾わった江戸っ子気質の
の祖母と母は、私が幼い頃から体調を崩したり、
精神的に落ち込んだりする度に、
そう言って励ましてくれました。

最初は、「なんてデリカシーがないのかしら」
と反発していましたが、
繰り返し言い含められるうちに、
大抵のことは大したことではないと
思えるようになりました。
私が今日まで逞しく生きてこられたのは、
2人のおかげと深く感謝しています。

そんな私も、いまでは2人の子を持つ母親です。
昨年は、既に大学に進学している娘に続き、
息子が高校受験に挑戦しましたが、
あいにく第一志望は不合格でした。

合格は間違いないだろうと
思っていただけにショックでしたが、
その時ふっと心の内から湧き上がってきたのが
「願いはもう叶っているんだよ」
という言葉でした。

私は10年前に大病を患いました。
子宮頸がんが肺に転移し、
主治医から「こういう状況で助かった
人を見たことがありません」
と言われてしまいました。
当時、息子は小学校に入学したばかり。

「せめてこの子が中学を卒業するまで
私を生かしてください……」

それが私の切実な願いでした。

おかげさまで、病はその後奇跡的に治癒し、
気がつけば息子は無事中学を卒業しようとして
いる。そう、願いはもう叶っていたのです。

「どこの学校へ行くかなんて関係ない。
あなたが元気で、
笑顔でいてくれるだけで私は幸せなのよ」

私は息子を思いっきり抱き締め、
一緒に声を上げて泣きました。
そして娘に対しても
同じ気持ちでいることをすぐに伝えたくなり、
電話越しにまた二人で泣きました。

私はそれまで受験戦争というものに
否定的なイメージを抱いていましたが、
受験には「家族の再生物語」という
素敵な一面もあるのです。

努力が実って合格するのも素晴らしいことだし、
たとえ不合格でも、その経験が家族の絆を
深めてくれる――。

結局、人間は幸せにしかなれないんだなと、
貴重な学びをいただきました。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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