この教えはシンプルながらも思考の裾野を大きく広げてくれた 第 1,789 号

 「日本の借金は1000兆円以上もあり財政

破綻間近である」というウソ。「日本の

人口は8800万人にまで減少し日本

経済が衰退する」というウソ。

 「財政再建のため、社会保障の財源が足り

ないから、消費増税するしかない」という

ウソ。「年金制度は崩壊する」という

ウソ…等々。世の中にはフェイク

ニュースや的外れな議論が溢れている。

 思い込み、というのは人によってずいぶん違

うらしいが、そもそも筆者の頭の中には思い

込みというものが存在しない。何かを論じ

るときは長期間のデータや海外の事例な

どを見るから、思い込むという感覚が

正直よくわからない。筆者は運命す

らもすべて確率で考えるから、そ

のときの運なのか、そうでなけ

れば何%の確率で起こったのかと考える。

 よく「高橋さんの議論の強さの秘訣は?」と

聞かれるが、心がけていることは非常にシン

プルだ。「川を上り、海を渡れ」。

 これは筆者が大蔵省(現在は財務省)に入省

して間もない頃、報告書を作成していた

ときに先輩から受けた指導だ。

 もちろんこれは比喩的表現で、「川を上る」

は「歴史を遡って過去の経緯を調べること」

「海を渡る」は「海外の事例を調べる

こと」を意味する。

 大学では数学を専攻し、数量分析を使えば

現状を的確に把握できるし、将来すら予測

できる。そう考えていた筆者にとって、

この教えはシンプルながらも思考の

裾野を大きく広げてくれた。

 データに弱い人には、グラフを描けないし、

読めないという特徴がある。例えば、

説明する高齢化問題もそうだ。

 「日本の高齢化はどのように推移していく

のか予想でもいいからおおまかなグラフ

を描いてみて」といっても、それ

すら描けない人が多い。

 データに強くなりたいなら、自分でグラフ

を描くクセを身につけておけばいい。

 高橋洋一『FACTを基に日本を

        正しく読み解く方法』

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  今回も最後までお読みくださり、

     ありがとうございました。感謝!

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