明治、大正、昭和と近代日本の構築に
貢献した創業者に、資料や取材を通し、
さらには直接に交わってきた作家の故・
城山三郎さん。
そんな城山さんに経営者のあり方や
人生や仕事を発展させる秘訣を語って
いただいた貴重なインタビューを配信します。
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(城山)
松下幸之助さんもそうです。「自分が病身だった
から、会社を大きくすることができた」とは、
幸之助さんがよく言っておられたことです。
病身だから思うように動けない。
社員に任せるしかない。
だからこの社員と見極めて仕事を任せたら、
すべてを任せてしまう。そして結果は自分が
取る。その潔さこそが松下電器の原動力と
となったのでしょう。
創業者というのは自信があるから、
どうしても「俺が俺が」になりがちです。
よく会社が不祥事を起こして、
「社員にある程度任せていたが、
自分がきちんと見ることができなくて
こういうことになってしまった」などと
弁明している経営者がいるでしょう。
みっともない話です。社員に仕事を任せるに
しても、中途半端な任せ方しかしない。
経営者がちょこちょこ口出しする。
従って、社員もいいかげんになってしまう。
中途半端な任せ方だから、結果については
すべて経営者が責任を負うという潔さも出て
こない。
逆に言えば、社員にすべてを任せるような育て
方をしていない、きちんとした社員教育を
していない、ということでしょう。
すべてをここに賭けるという潔さがないから、
そういうことになるんです。
(※本記事は『致知』2005年2月号を一部、
抜粋したものです。)
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!