いただいた、たった一度の人生を
何に懸けるのか――。
若き日の青山俊董老師が選んだ人生の結論は、
尼僧として仏法に生涯を捧げることでした。
愛知専門尼僧堂での日々の厳しい修行を通して
自らを掘り下げながら、多くの雲水の指導、
執筆、講演など仏法の伝道に努め、
今年米寿を迎えた青山老師に、
その求道の歩みと人間が根を深めるための要訣
を伺いました。
(『致知』2020年 11月号 ※最新号より)
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人生は一度きり、
それをどう生きるかという自覚が生まれれば、
吉川英治さんが「我以外皆我が師」と
おっしゃっているように、よいことも悪いこと
も、自分の心次第ですべて人生の根を養う材料
にすることができます。
こういうことがございました。
私は四十二歳の時、ならざるを得ない格好で
この尼僧堂の堂頭になりました。
開闢四恩師(尼僧堂を開いた四人の尼僧)の流れ
の方で、しかも七十歳、八十歳の高齢の人が堂頭
になるという伝統の中で、若く、四恩師の流れ
でもない私が堂頭になることに強く反対する一部
の方たちがおられ、相当長い間、活動を妨害
されました。
古くなった尼僧堂の建物の改築を検討する時
にも会議の議長が反対派に取り込まれ
「青山さんが堂頭である限り、
絶対に手伝わないと言うメンバーがいる。
いい顔して手伝う者ばかりではないから、
そのつもりでいろよ」
という言葉を投げ掛けられ、相当に堪えたこと
もあります。
そういう中で私を支援してくださった方、
心配してくださった方も多くおられました。
ありがたいことにたくさんの寄付をいただく
こともできましたが、ある教え子から
「堂頭さん、ご苦労が多いですね。
しかし、ご苦労されることで人間が大きく
なりますね。ぜんざいの甘みを添えるのは
砂糖よりも塩が大事だと言いますね」
と言われ、「ああ、全くその通りだな」と
教えられました。
それからは反対派の人たちは
私の人生の根を深める塩の役を
務めてくれたんだと思って、
拝んでいくことを決意したんです。
※この続きは、『致知』最新号を
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!