激しい競争環境を生き抜くために企業を変革
したいが上手くいかず、日本を代表していた
企業であっても、苦境に陥る現状が増えた。
しかし、そのような環境下でも、実績を出す
経営者が存在する。
タイプの異なる7人の経営者たちのケースから、
彼らがどのようにリーダーシップを発揮し、
企業を変革・牽引してきたのかが見えてくる。
プロ経営者とは、理論的素養と深い経験値、
そして高い志をもち、トップとしての役割
を明確に認識し、それを高い水準で
こなすトップのことだ。
多くの人に誤解があると思うが、ビジネス
スクールは無味乾燥な経営理論だけを
教えているわけではない。
経営は人間臭いものである。
授業の討議教材として、経営者の評伝の
本を使うことがある。
また経営誌や経済紙の記事を
使うこともある。
見本市の運営会社も業界誌の会社も、いわば
ベンチャーに関するインサイダー情報
の宝庫である。
シナリオを描いた孫正義は、見本市と業界誌
の会社こそ、まさに当時の情報革命
のインフラと見たのだ。
孫さんが構想する壮大な理念や方法論は一見
すると乱暴に見えるが、実はリアルで
緻密でクリエイティブである。
孫さんは、幼少体験と猛勉強で
経営の素養を身に着けた。
子供の頃から実家のビジネスを手伝い、また
経営書の類をむさぼるように読んだ。
会計は経営を読み解く必須スキル。
会計は、経営の全体像を「写像化」
するツールである。
経営活動全体に貨幣価値という尺度を当てた
ものが、財務諸表、ないし会計情報である。
日本電産の永守重信は、若い頃から
財務を猛勉強した。
決算説明会では、アナリストたちの質問に
対して永守が自ら説明に立つ。
その説明は「立て板に水」と
いわれ、有名である。
それどころか、緩い質問が出ると永守から
反撃され、アナリストたちからやり
込められることもある。
それほど財務数値に明るく、どんな時でも
永守の口から即座に数字が出てくる。
永守はもともとエンジニア出身だが、
若い頃から財務を猛烈に勉強した。
永守はもともと口下手だったが、それでは
社長にはなれないと思い、中高時代には
弁論部に入って口上を磨いた。
技術の連中が音をあげそうになると、
永守はいつも言った。
「大声で『できる』と百回言ってみい」
「できる、できる、できる・・・」
日本電産の工場では夜になると、こんな念仏
のような合唱が聞こえてきたという。
「どや、できる気になったやろ。できると
思えばできるんや」
岡藤正広は、友人の持ってきた
小さな新聞記事を見た。
そこにはこう書いてあった。
「大成した人は若い頃、大病をわずらったか、
親を亡くしている」
「経営者は知れば知るほど口を出したくなる
ものだが、知れば知るほど黙るのが、
より良い姿だ」(ダイキン工業会長、井上礼之)
経営のプロたちはものすごく勉強している。
永守重信は「かまぼこ」とあだ名されるくらい
猛勉し、財務の本まで書いた人である。
新浪剛史は落選にめげず、3度目にして半ば
強引にハーバードMBAをゲットした。
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!