「業界の儲けるしくみ」から「会計の秘密」
がわかります。知識ゼロでも「会社の数字」
が理解できるから、営業や交渉、面接
などでも断然有利になります。
「不況でもリストラせずに儲かる会社は何が
違うのか」「『マンガ喫茶』はドリンク飲み
放題で客が長居しても、なぜ儲かるのか」
「サラリーマンとプロ野球選手、どち
らの生涯賃金が高い?」「化粧品
会社はなぜ不況でも倒産しな
いのか」「なぜ相撲だけ八百長問題が絶え
ないのか」など、「日常の素朴な疑問」
から「会計力」と「経済センス」
が身につく画期的な内容です。
ケーキ屋にひそむ会計の秘密とは?以前たい
焼き屋をみずから開業したことがある私の
経験からいうと、実は粉系の食品の
材料費は意外と安い。
たとえば1個300円のケーキがあるとして、
その原価はどれくらいか。
ケースバイケースとはいえ、1個のケーキを作る
のに、安いところでは15円、高くても50円
くらいの材料費ですんでしまう。
材料費が売上に占める割合は、モロゾフが
約30%、東和フードサービスが22%。
トヨタのような製造業の67%と比較すると、
ケーキを扱っているフード産業は、圧倒的
に材料費が安くすんでいることがわかる。
結論として、ケーキ屋では、かなりの数の
ケーキが売れ残って廃棄され、製造コスト
や販売コストがある程度かかっても、利
益が出るように値段がつけられている。
日本の企業の場合、営業利益率3~5%が
だいたい標準で、8%を超えたら
優良企業といわれる。
そういう意味では、モロゾフのようなお菓子
製造業の形態は、粗利率は非常に高くても、
物流コストや廃棄コスト、広告費・店舗
の人件費など、販売コスト・管理コス
トにたくさんのお金がかかってしまう。
その結果として、営業利益が3~5%の
付近に落ち着いてしまう。
どんな分野や役職にいようと、業界や企業
の「儲けのからくり」、つまり「会計の
秘密」を知っているのと知らないのと
では、後々、収入の差が大きく開
いてくることも確かだ。
日本電産の永守社長をM&Aに駆り立てる
要因は、次の2点にある。
1.日本電産に勝るほどの「キャッシュになる
技術力」を持っていること。
2.その会社が儲かっていない原因が、「マネジ
メントの問題」にあること。
M&Aの目的は、つきつめて言えば、「自社で
ゼロから作り上げようとしたら数十年もかかり
そうな素晴らしい技術やノウハウ」を、数ヶ
月で手にし、数年後にはキャッシュ化することだ。
「M&Aは時間を買う経営戦略である」
ともいえる。
いずれにせよ、日本の製造業で昔からいわれる、
「整理・整頓・清潔・清掃・しつけ」の徹底や、
在庫の圧縮、経費削減という断固たる管理
意識が、M&Aを成功させるために最も
大事なことだといえる。
地道なことを徹底して続けることが、
いかに重要なのか。
高級ブランド店で購入しているお客は
めったにいない。
どうやって儲けているのか。
ルイヴィトンは日本で2900億円も
売り上げている。
高級ブランドの高収益のポイントは、第一に商品
のクオリティと企画力であることはもちろん、
そのほかのしくみとして表に見えない、
いわゆる「VIPルーム」と呼ばれるものにある。
ルイヴィトンやグッチのような高級ブランド店
は、高い品質、高級イメージ、長年培った信頼
感があるからこそできる、独自のビジネス
モデルを展開していることがわかる。
マンガ喫茶は「居場所」を売っている。
一言でいうと「飲食物を売るビジネスから、
居場所を売るビジネス」への本質的シフト
チェンジをした。
本書は、身近な「なぜ?」に対して、できるだけ
会計知識を使って説明を試み、その結果いろ
いろな利益を獲得するしくみ、つまり
「会計の秘密」を理解していただ
きたい、という願いで書いた。
会計知識は、ビジネスの「なぜ?」といった
ミステリーを解き明かすために、
とても有効な道具だ。
柴山政行
『半分売れ残るケーキ屋がなぜ儲かるのか』
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!