どんな些細なことも徹底的にやり誉められることが大切 第 2,426 号

新入社員が入社し、
これからどう後進を育てていけばよいのか、
悩んでいる方も多いかと思います。

本日は、荒れに荒れていた
大阪の中学校を見事に立て直し、現在は
ビジネスマンやアスリートたちに向けて
愛情深く人材教育を行っている原田隆史さん
が語る、「人材育成のコツ」をご紹介します。

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〈原田〉
大阪で問題のある学校を次々に立て直し、
「生徒指導の神様」などと呼ばれて少々天狗
になっていた僕が三校目に赴任したのは、
「しんどい」と言われていた中学校でした。

いまでこそ、学校教育のモデル校にされる
ほど生徒の態度がよく、部活動でも
多数の日本一を輩出している同校ですが、
当時は多くの問題をかかえていました。
生徒や教師、保護者の間にも
あきらめのムードが漂い、ハッキリと
した「夢・自信・プライド」が持てない、
それが当時の状況でした。

なぜ、生徒がそんな状況になってしまった
のか。僕はわかっていました。

教師になって3年目、僕は、生徒が
亡くなるという事件に遭いました。
辛くて転職を考えていたある朝、
母にこんな言葉をかけられました。
「自分を変えなさい」。環境や相手を
変えたところで何も変わらない。
自分を変えてはじめて「変わる」と。

松下幸之助氏の本にもあった
この「主体変容」が僕の考えの原点ですから、
当時の状況を好転させるためには、
親や教師が自ら「夢」を描き、
自信とプライドを持って生きる以外に
道はなかったのです。

よし主体変容だ。
自分がいままでより高い夢を語り
一所懸命な姿を見せて、
生徒とともに上がっていこう! 
早速生徒を集めて宣言しました。

「皆を日本一にするで! 
見学者がたくさん訪れるような学校日本一。
それから3年以内に陸上日本一を出す。
できなければ教師辞める!」

学校日本一、これは僕の最も得意とすること
です。ポイントは、整理整頓や挨拶など
身の回りの些細なすさみをとること。
まずは生徒たちと相談し、
靴を揃えることから始めました。

靴が揃うだけで変化は大きいのです。
暴力事件が減り言葉遣いが良くなる。
さらに学外の多くの方々に
大変感動されたことをきっかけに、
生徒たちのプライドに火がつきました。
靴を揃える精度が上がり、
意識が急激に高まってきたのです。

どんな些細なことでも、徹底的にやり切り、
誉められることがどれほど大切なことか。
生徒が素直さを取り戻しただけで、
学校の雰囲気がガラリと変わり、その年の
陸上ランキングで日本2位が誕生しました。

※『致知』2021年5月号掲載記事
より一部抜粋。


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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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