なくてはならないものは水と空気とコンテナ輸送 第 3,047 号

 この箱は何を入れ、どこに向かい、どのような

影響を世界に与えるのか、世界経済の血液とも

言われる海運物流のカギを握るのはこの「箱」

である。また、「コンテナの動き」を追え

ば、世界経済の流れもつかめる。経済を

動かし、生活・ビジネスを支えるコンテナに迫る。

 私たちは、身近で大切な存在のことは、しば

しばその重要性を忘れてしまいがちだ。

 世界中でさまざまな荷物を運ぶ、コンテナ

は「経済の血液」なり。

 海運会社の人々の間では、「水と空気とコンテナ

輸送」といわれる。なくてはならないもの、と

いうこと。

 納豆用の大豆は、多くが北米からコンテナ

で輸入されている。

 「コンテナの動き」で、世界経済が読める。

 コンテナ輸送量は「先行指標」なり。

 大手海運会社には、マクロ経済の分析・検証を

担当するスタッフがいる。

 コンテナ輸送量が、輸入側の実質GDP

と強い相関関係にある。

 コンテナの製造は、いまでは中国が98%

のシェアを占めている。

 日本の港湾は、存在感が小さくなっている。

 シンガポール、釜山、ロッテルダムを除くと

取扱量で上位10位を占めているのは、

すべて中国の港である。

 日本の都市部港湾、地方港湾ともに、輸入量

に比べた輸出量の少なさが目立っている。

 もはや、コンテナ輸送なしに、我々の生活は、

成り立たせることはできない。

 著者は松田 琢磨:拓殖大学商学部教授。筑波

大学第三学群社会工学類卒業、東京工業大学

大学院理工学研究科博士後期課程単位取得

退学。博士(学術)(東京工業大学)。(公財)

日本海事センター主任研究員を経て、

2020年4月現職。専門分野は

海運経済学、物流(国際・国内)。コンテナ輸送、

市場と業界の動向、国内雑貨輸送に関して

調査・研究を進めている。

松田 琢磨 (著)『コンテナから読む世界経済』

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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