「私は自分のことをタンポポ」
だと語る。
すさまじい虐待に耐えぬき、何が
あっても凹まずに立ち上がって
きた島田さんのお話を昨日
に続いてお伝えします。
──────────────────
島田 妙子(オレンジCAPO理事長)
──────────────────
2010年に私が児童虐待防止活動を始めた
きっかけは、いつでも心の支えだった
小兄が白血病を患い、2年間の闘病
の末に40歳で亡くなったことでした。
小兄は喋れる間に遺言を
いっぱい残しました。
中でも、もし病気が治ったら、ボラン
ティアでもいいから虐待に関する
活動がしたいとの願いは
特に覚えています。
入院中にテレビを見る度に、こんなにも
豊かな時代に親が子を、子が親を殺す
事件が後を絶たないことに心を
痛めていたというのです。
小兄は思いを伝え切ると、一週間
後に亡くなりました。
私は号泣もできず魂が抜けたような
状態でしたが、小兄の「虐待に
関わる活動がしたい」と
いう思いが私を立ち
直らせ、亡骸に
向かって「私がやるよ」と宣言していました。
私自身が親になり誰もが加害者になって
しまう恐ろしさに気づかされたことも
あって、虐待までは至らなくとも、
日常の些細なイライラを軽減
させたり、感情をコント
ロールするお手伝いができないか。
そうした思いを基に、冒頭で紹介した
アンガーマネジメントの資格をはじ
め、様々な勉強をして、講演
活動を開始しました。
(中略)
「何でそんなに明るいのですか」と
最近よく聞かれます。
過去の自分のよかったことを一つだけ挙
げるとすれば、立ち上がる力があった
ことだと思います。
私は自分のことをタンポポだと思って
いますが、踏まれて踏まれて、落ち
込んだとしても、何度でも立ち上がる。
人生には嫌なこと、悲しいこと、腹が
立つことなどいくらでもあります。
その度に凹んでいてはダメ。
一晩悲しい思いをしても、立ち上がる。
なにくそと自分を奮い立たせる。
その連続が人生です。
※過去にどんなつらいことがあったと
しても、未来には素晴らしい世界
が広がっていることを実体験
から掴み取られた島田さん
のインタビューは3月
号にて5ページに
わたって紹介しています。
『致知』2018年3月号
特集「天 我が材を生ずるに
必ず用あり」P34
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝