師走に入ると思い出す。
うちの親戚は、晦日に本家(家がでかいだけの農家)で正月支度をする。
とはいえ本家の手伝いをするわけじゃなくて、男たちは全世帯分の餅をつき
(もち米ふかすところからやる)
女たちは予め分担して作ってきた正月料理を詰め合う。
(叔母は全員分の黒豆、母は松前漬け、みたいな感じ)
子供たちは本家が持ってるみかん畑でみかん採ってくる係とまあ、
楽しい集まりだった。
都合悪けりゃ来なくて良いし。
最後に和室に机並べて、みんなで夕飯食べて解散、までが一連の流れなんだが
ある時、一人のじいさんが立ち上がり乾杯の挨拶を始めた。
これが長い。すごく長い。
一族の絆だとか、世代へ受け継がれる何ちゃらとか、語るわ語る。
みんな仕事して疲れてる、のど乾いてるのに加え、暖房も入ってるから
喉カラカラ。
10分たった頃に「なぁ、○○さん、そろそろ…」とおじさんが声かけたら、
「まだ話しとるだろうが!卑しいやつめ!」と叱り飛ばし話続行。
子供らが小声で親に「まだ食べちゃだめなの?」との声がしきりに聞こえ、
みんながうんざりし始めた頃、じいさんの話がどうやら終了。
やっと飲める!とみんなが安堵したとき、のどの渇きに耐えきれなかったのか、
三歳児が、ジュースに口を付けてしまった。
それをめざとく見つけたじいさん、今度はその子の説教にシフトチェンジ。
「まだワシが乾杯しとらんだろ!親の教育がなっとらん!」と、長々と持論を
展開しようとしたとき、じいさんの息子にあたるおっさん(60代)が、
すしを手づかみで3貫くらい一度にばくっ!
ビールを瓶ごとラッパ飲み!
開いた口の塞がらないじいさんに、「で?親が何だって?仕事して喉乾いたって
言う子供に、お預け食らわすのが親のすることか?」と言い
みんなに向かって「さ、食おうぜ!△△(ジュース飲んだ子)!がんばったな!
じーちゃん話長くてごめんな!やってらんねーよな!」
この声で、時が動き出したかのように一斉に飲み食い開始。
じいさんは力が抜けたように座り込み、ばあさんに別室へ連れ込まれてた。
じいさん、曾孫が生まれてフィーバー中だったようだが、その息子であるおっさんも
当然孫フィーバー中。
席を立てず、布団で寝たくてぐずってる孫を必死であやす子夫婦を見て、
我慢ならなかったらしい。
ちなみに、△△もおっさんも、普段はとてもお行儀良いです。
( お-ぷん2chで見つけたスレッドです。)
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。 感謝!