「自治体消滅」の危機が叫ばれ、地方創生の
必要性が議論されて久しい昨今、本当にこの
まま地方経済は衰退してしまうのか。ご当
地アイドルのライブに集まるファンの熱
い声援を目の当たりにすると、まだま
だ再生のチャンスはあるのではないか。
AKB48グループが地元の要請に応えて初めて
大都市圏以外に進出する「NGT48」、全国の
ご当地アイドルにライブ会場を提供する「東
京アイドル劇場」、現役アイドルへの直接
取材をもとに、地方から日本経済を活性
化するためのヒントを探る。
アイドルとともに見る側も成長していきた
い。そんな思いを促すメカニズムこそが、
いまの日本のアイドルが持つ文化や
経済に与える力の根源です。
本書ではこのメカニズムについて
十分に解説したいと思います。
すぐれたご当地アイドルは、やがてローカル
から脱していきます。本書ではこのアイドル
の脱ローカル化の現象にも焦点を当てました。
東京を中心とした大都市にご当地アイドルが
活動拠点を移し、それがどのような経済的な
理由によるのか、そこからいまの日本の地
方の経済や文化の抱える問題点を解き
明かしていくつもりです。
もちろん東京自身も世界全体から
見れば「ローカル」です。
本書を読まれることで、「地方消滅」を食い
止めるヒントや、日本の(ご当地)アイドル
市場が直面している「創造的破壊」とでも
いえる刺激的な変化の一端がわかって
いただければと願っております。
本書では、このグローバルと日本というロー
カルな文化の創造物である日本型アイドル
の特徴、それがいかにいまの「ご当地ア
イドル」や「ライブアイドル」に文化
的遺伝子として受け継がれている
かも分析しています。
2016年1月10日。小雨が降るなか、濡れるの
にもかまわず私は歩みを速めていました。別
に何かの刻限に間に合わないわけではあり
ません。軽く興奮していたのでしょう。
その日、私は新潟市にいました。
日本の「ご当地アイドル(ローカルアイドル)
」の歴史、いやアイドルを含む日本の文化の
歴史に一ページを刻むことになるかも
しれない記念すべき日でした。
新潟市万代地区のショッピングエリアに拠点
を置いた女性アイドルグループNGT48
(フォーティエイト)の専用劇場での
初日公演の日だったからです。
田中秀臣『ご当地アイドルの経済学』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!