ハワイ革命からソヴィエト、キューバ、ベトナム、
イラン、イラクそして日本に原爆を落とし、朝鮮
戦争に参画、アメリカと世界のねじれた関係
を描く。注目の郵便学者が挑む、異色の
世界近現代史。切手という資料から
国際関係を鮮やかに読みとく気鋭の力作。
伝統的な食文化の重要性を強調するスローフード
運動というものがある。
♠日本ではご当地グルメの一形態と見られがち
だが、その発端は、1986年、ローマにマクド
ナルド一号店が開店したことに強い危機感
を抱いたイタリア人によって始められたものだ。
そもそも、スローフードというネーミング
じたいが、アメリカ型ファーストフード
に対するアンチテーゼとして唱えら
れたものである。食文化の侵略
に対する抵抗運動という色彩
が非常に濃厚である。
マクドナルドに代表されるアメリカの物質
文化を受け入れてはいても、必ずしもアメ
リカ合衆国に対して親和的でない国や
地域というのも少なくない。
20世紀の100年を通じて、アメリカという
国は、政治、経済、文化のあらゆる領域
において世界的な影響力を拡大していった。
♦だが、その必然的な副作用として、アメ
リカは世界各地でさまざまなレベルの
抵抗に直面し続けてきた。
そこで本書では、アメリカと激しく敵対して
きた過去を持つ国や8つの地域の視点から、
アメリカが世界の覇者となっていく過
程を振り返ってみることにした。
そうした国々の掲げる国家の意志やイデオロギー
を分析する手法としては、さまざまなスタイル
が考えられる。本書では国家のメディアと
しての切手 (数センチ角の切手に様々
な思惑のエッセンスが凝縮され
ている) や郵便に注目して
議論を進める。
内藤陽介『反米の世界史:郵便学
が切り込む』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!