メディアが取り上げるトランプ政権の報道は
表層的なものだ。新聞・テレビ・論壇誌が扱
う記事や論考は、メディアが期待する妄想
がそのまま反映されている。日本の政治
運動、特に保守系のグラスルーツは完
全にガラパゴス化しており、世界の
動きから隔絶された空間に置かれ
ている。
日本の保守派が世界の保守派のことを全く
知らないことに起因する。二次情報に頼ら
ず、真正面から米国政治と「選挙」の視
点から格闘し、手にした情報と認識が、
マスコミの死角をことごとく突く。
トランプ政権の本質は「共和党
保守派の行動」。
トランプ政権の本質はメディア上での派手
な言動で判断することはできない。
トランプ大統領の言動は、トランプ政権
の本質である「共和党保守派の行動」か
ら目をそらすオトリのようなものだ。
トランプ大統領と共和党保守派の関係は
「トランプ大統領がどのように誕生した
のか」という選挙の力学を知ること
によって理解できるだろう。
米国は世界最大級の民主主義国であり、
トランプ大統領であっても「選挙」で
借りを作った人々の意向を無視
することはできないからだ。
二重の政権交代。主流派と保守派。
トランプ政権は「共和党」、そして
「保守派」の政権である。
2016年大統領選挙は「民主党から
共和党」「共和党主流派から共和
党保守派」という二重の政権
交代の産物であった。
共和党の中には「主流派」と「保守派」
という2つの派閥が存在している。
トランプ政権の外交・安全保障上の最重要
課題は「米軍の再建」である。
米軍は依然として世界最大の軍事力を
誇ってはいるが、オバマ時代の軍事費
抑制は米軍の世界同時多発的な事態
への対処能力を奪ってしまっている。
優先順位が最も高い地域は「中南米」。
キューバやベネズエラなどの中南米は
米国の裏庭であると同時に、それらの
国での外交的勝利は大統領選挙の勝
敗を決める可能性がある。
なぜなら、フロリダに集住するキューバ系
ヒスパニックは母国の社会主義政権が打倒
されることを願い、米国の保守派有権者
は不倶戴天の敵・社会主義の象徴とし
てのベネズエラが転覆されることを
望んでいるからだ。
筆者からしてみれば、いい加減、日本の
メディアも識者も、アメリカには保守と
リベラルが存在するということを認識
すべきだと言いたい。
トランプ大統領はこうした保守とリベ
ラルの間でパワーゲームを演じている
のであり、重要なのはトランプ大統
領が依拠する権力基盤を読み解くことだ。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!