エネルギーの流れは石油・天然ガス供給の安全保障の中心になっている 第 2,274 号

 藻、スイッチグラスといったバイオ燃料、風力、

太陽光といった再生可能エネルギー、内燃機関

の進化、電気・水素自動車といった未来の

技術に注目する。いっぽうで、私たちが

普段は「エネルギー源」として考えて

いなかった「効率」や「節約」に

ついても解説する。これから

の20年は、エネルギーの

安全保障、エネルギーの公平な

分配というテーマが、地球規模の

問題になることは間違いない。危機や

対立を生まずに、この大問題をどう解決

すればよいのか?そのエネルギーの未来を形

作るのは、いまの私たちの議論、行動、政策だ。

 炭素の市場を作る。京都議定書が発効するには、

55カ国以上で批准されなければならなかった。

2005年、プーチンが署名して、55番目の

批准国になった。ロシアの批准は、

WTO加盟要求の交換条件と

見なされた。

 それに、炭素クレジット(排出枠)と

いう「たわごと」を売れば、工業生産

が落ち込んでいたロシアにとって、

かなりの収入になる。

 要するに、京都議定書はビジネスになっていた。

 しかし、炭素取引の実際的な市場を、どう

やって創出すればよいのか?結局、プロト

タイプをまとめるのに10年以上もかかった。

 1992年のリオ地球サミットの参加者のなかに、

経済学者、コンサルタントでノースウェスタン

大学非常勤教授でもある

リチャード・サンダーがいた。

 サンダーは、前例のない市場を創出するのが

得意だった。1970年代には、金利先物取引

というビジネスを発明した。当初は突飛

な概念だったが、いまでは1日何兆

ドルも取引されている。

 ある午後、有名なイパネマのビーチで、

サンダーはどうやって炭素市場を

設計すればいいかを熟考した。

「これはやれる」とつぶやいた。

 サンダーは、炭素売買の取引所を設置しよう

と決意して、シカゴに帰った。

 やがてそれがシカゴ気候取引所と呼ばれる

ようになる。最初の10年は楽ではなかった。

 中東と北アフリカ、とりわけ湾岸からの

エネルギーの流れは膨大な規模なので、

それらの地域は、石油・天然ガス

供給の安全保障の中心になっている。

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 今回も最後までお読みくださり、

   ありがとうございました。感謝!

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