プラスになるんだって100%信じて行動する 第 2,953 号

栗山氏が『致知』10月号にて、
円覚寺派管長の横田南嶺老師と
対談された記事の一部をご紹介いたします。


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大谷翔平選手に見る「浩然の気」
…………………………………………

〈横田〉
決勝戦の最後がトラウト選手との直接対決。
あの場面をご覧になっている時の監督は、
これで抑えてくれると微塵も疑いがなかった
わけですか?


〈栗山〉
監督の仕事っていうのは、
最悪の状況でも負けないようにすることです。

3対2と1点リードで迎えた9回表、
翔平をマウンドに上げた時、
野手も2人交代して守備固めに入りました。

「もし同点にされていたらどうしたんですか」
って、後で周りからも言われたんですけど、
僕があそこでほんの一ミリでも同点になるとか
負ける可能性を頭に描くと、
その通りになってしまうと思ったんですよ。

翔平の覚悟も感じていたので、
あの采配は絶対にこのイニングで
終わらせるというメッセージでもありました。

〈横田〉
両者ともメジャーリーグを代表する選手ですから、
おそらく技術の差はほとんどないと思うんです。

でも、監督もお読みになっている『孟子』に、
「浩然の気」という言葉が出てきますね。

これは大河が滔々と流れていくような、
この上なく強く大きく真っ直ぐな気のこと。
大谷選手の浩然の気が相手バッターを
圧倒していったんじゃないかと感じました。

それから、準決勝のメキシコ戦で
9回裏に劇的な逆転勝利を呼んだのも、
先頭で彼がヒットを打ち、
ヘルメットを投げ捨てて全力疾走し、二塁まで
到達してベンチに向かって叫びましたよね。

あれで気の流れが変わって、
こちらに引き寄せたと思うんです。

〈栗山〉
普通の選手はああいう追い込まれた状況に直面
すると、プラスとマイナスのイメージが
どちらも頭の中に浮かぶはずです。

ただ、翔平の場合、
「もしダメだったら」というマイナス思考が
浮かんでいるようには見えない。
プラスになるんだって100%信じて行動する。

ちょっと無理かなと思うようなことを
僕らが要求すると、
彼はすごく嬉しそうな顔をしてやってくれます。

要するに、自分ができないと思われることに
チャレンジすると、達成できてもできなくても
自分のレベルが引き上がる、能力が高まる
ということを知っているんじゃないでしょうか。

〈横田〉
決してマイナスには捉えないわけですね。

〈栗山〉
はい。「ええ?」って否定的な態度を
取ることは全くありません。
「面白そうですね。行っちゃいますか!」
みたいな雰囲気をいつも出しています。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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