資源の枯渇が叫ばれる中、紙やプラス
チックの代替となる画期的な
新素材「ライメックス」。
その生みの親の山﨑敦義さんが
本誌に登場です。
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山﨑 敦義(TBM社長)
×
出雲 充(ユーグレナ社長)
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【出雲】
山﨑さんはいま、ライメックスの開発
や普及にますます力を注いでいらっ
しゃるようですね。
【山﨑】
はい。国内外の大手企業さんとの共同
開発で、市場に出していけるものが
次々と生まれ始めているので、
いろんなパートナーと組ん
で普及活動を進めているところです。
ライメックスは、ライムストーン(石
灰石)と無限の可能性を表すXを
組み合わせて命名しました。
通常の紙は、1トンつくるのに約20本の
木と100トンの水が必要ですが、ライ
メックスは日本も含め、世界中に
無尽蔵にある安価な石灰石を
主原料につくることがで
きるので、資源の枯渇
が深刻化する世界に
大きく貢献していけると考えています。
三月にサウジアラビアのサルマン国王が
来日されましたが、サウジアラビアの
政府は、森林資源にも水資源にも
乏しい国内においても、石灰石
という百%自国の資源でつく
ることができるライメッ
クスに非常に興味を持たれましてね。
いま、向こうの開発計画庁と日本の日揮
様と共同で、現地にライメックスの製造
プラントを建設するプロジェクト
を進めています。
それから、ライメックスは石油の使用を
大幅に抑えた、環境に優しいプラスチッ
クの代替製品をつくることもできます。
先日の講演でもお話ししましたが、海に
投棄される大量のプラスチックのゴミが、
マイクロプラスチックという微小な
粒子になり、それを食べた魚を
さらに人間が食べて病気に
なるというのが、いま
深刻な問題になっていましてね。
僕もビックリしたんですが、このまま
いくと2050年には世界中の魚の総重
量と、マイクロプラスチックの
総重量が一緒になるというんです。
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【出雲】
それは怖いですね。
【山﨑】
プラスチックの投棄は、エコシステム
の整っていない途上国ほど行われる
傾向が強いため、例えばケニア
ではビニール袋の使用が8月
から禁止されるといった
動きも出始めています。
ライメックスは、こうした問題にも解決
の道を示すことが期待されているんです。
『致知』 2018年1月号
特集「仕事と人生」P18
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!