近世以降の世界経済で、資本主義経済の成長、
方向づけでユダヤ商人や「宮廷ダヤ人」、ユ
ダヤ系金融業者、経済学者などが大きな
役割を果たしてきたのです。それでは
なぜ、そうしたことが可能になったのでしょうか。
そもそもユダヤ商人は、紀元前の時代には
中東の経済センターのシリアに隣接し、最
もエジプトに近いパレスチナ地方で活躍
したローカルな商人にすぎませんでした。
そうした商人たちが、ローマ帝国の
「ディアスポラ」によって現実の
国家を失ってしまいます。
ユダヤ人はディアスポラ以後、商業と金融
に頼らざるをえない生活を長い間強要され
続けるのですが、それが逆に、
1、客観的で創造的な貨幣観念を育て
2、ネットワークで結びつく小共同体しか持て
なかった境遇が、身を守るための広範な情報
収集と共同体相互の結合の強靭化を余儀
なくさせ、
3、既存の経済分野から排斥されていたことが、
新しい空間や経済分野を見つけて進出する
先見性とチャレンジ精神を身につけさせ、
4、ネットワークの民としての特性が、国家の
枠を越えた世界的視野を身につけさせる、と
いうように複合的変化を起こしたのです
宮崎正勝『ユダヤ商人と貨幣・
金融の世界史』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!