日々刻々と動く世界情勢の中、特にその動向
が注目されているアメリカ合衆国の歴史的
事実を知ることで、日本とは切っても
切れない関係にある。
アメリカ合衆国の分断傾向はさらに顕著になり
つつある。そもそもアメリカは、建国以来、分
裂の要素を持ち続けている国なのだ。本書
では、現代のアメリカ合衆国へつながる
源流を探るべく、「建国の父」の一人
である天才政治家、アレグザンダー・
ハミルトンに光を当てながら、合衆国創世記
から南北戦争までの大きな歴史の流れを描きだす。
建国期、バラバラな13植民地の寄せ集めに
すぎなかった分裂国家アメリカを、真の
統合国家に創りかえようとした天才政治家がいた。
アメリカの10ドル札の人物はお分かりだろうか。
彼の名は、アレグザンダー・ハミルトン。
「建国の父」の一人。アメリカ独立戦争時、
ワシントン総司令官の右腕として活躍。
彼は独立戦争後は合衆国憲法の制定に大きく
貢献。その後、ワシントン政権における初代
財務長官として、高度に体系化された経済
財政政策を立案・実行、新生国家アメリ
カを破産の淵から救った。
ハミルトンは、並外れた知性と行動力を持ち、
自信と情熱にあふれ、強固な統合国家アメリ
カの創造という確固たる目標に生涯を
捧げた天才政治家だった。
彼の出自は決して恵まれたものではなかった。
彼はたたき上げの天才だった。西インド諸島
ネーヴィス島でスコットランド貴族の非
嫡出子として生まれ、母親と早くに死別。
孤児となったが、友人と親戚の支援で
ニューヨークに移り、貿易商
の仕事に携わる。
己の才覚を頼りに、17歳でキングス・カレッジ
(のちのコロンビア大学)を卒業。独立戦争
に従軍し、ワシントンの有能な補佐官
として頭角を現す。
地元の有力な資産家スカイラー家の令嬢
イライザと結婚し、上層階級の
仲間入りを果たした。
経済財政政策から法理論、軍事・外交に至る
まで、あらゆる国家行政の分野に通じ、超人
的な文章の才と先見性にあふれ、アメリカ
の発展の礎を築いた天才政治家であった。
しかし1804年、政敵との決闘で肝臓を
打ち抜かれ、49歳の若さで生涯を閉じた。
水川明大『分裂国家アメリカの源流』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!