日本人はお人好しで勤勉。「今日できることは
明日に延ばすな」と言われてきました。でも、
これが「だまされない」「踊らされない」
「なめられない」ための情報行動学
から見ると、「明日でもいい
ことは今日するな」(情報
は早く、行動は遅く)と
いう教訓になります。
タダ情報・面白情報にはワナがある!ハッカー
より怖い「嘘サイト」。人と人・国と国とに
横行する騙し合い―。インテリジェンス
研究の権威が、ますます激化する情報
戦争に負けない戦略的思考と行動。
即断即決型のシーザーは、じつは
「遅断遅決」だった。
自分の得意分野の検索で情報源を試せる。
「土地勘のある分野」で定点観測すれ
ば情報の質や変化がわかる。
必死になれば情報感度も高まる。日本人の情報
音痴は、国家の主権死守の気概が薄いからである。
ブーム情報には早く乗って早く降りろ。
「今日できることは明日に延ばすな」という
勤勉の哲学それ自体は尊いもの。しかし、
それだけに徹すると、「戦略的思考」
を見失い、それが情報軽視の
「拙速」につながりやすい。
その意味ではむしろ「明日でもいいことは
今日やるな」という姿勢のほうが、情報
を軽視しない「戦略的思考」
にかなっている。
「戦略的思考」とは、一口でいえば、つねに
当面の目標を強く意識して可能な手段を考え、
手を打っていく行動の仕方ということだ。
イギリス人にとっては場合によると明日に
延ばすほうがよい、とする柔軟さを尊
ぶ。これは英国人の一つの哲学だ。
わたしたち日本人でもいいアイデアが浮かば
ないときは、そこで悩むのをやめ、翌日もう
一度考えてみると前日には思い浮かば
なかったようなアイデアが浮かんで
くることがある。その間に新た
な情報が入ってくる。
いまの日本人にとって、この「一晩置く」と
いう感覚が大切だ。英国人は、急に重要な
決断が迫られたとしてもけっして即断
はしない。一晩置いて翌日あらた
めて判断を下すのがよい、と
子どものころから教え込ま
れる。「明日できることは今日やるな」の精神だ。
英国人の行動指針である情報は早く、行動は
遅く」の本当の意味がここにある。ビジ
ネスなどにもそのまま当てはまる。
中西輝政『明日でもいいことは今日
やるな:戦略的情報行動学』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!