生後僅か一か月で最重度の脳障碍児となった
溝呂木梨穂さん。
そんな彼女の中に、なんとも豊かな言葉の
世界が広がっていました。
────────[今日の注目の人]───
☆ 私の生きる意味 ☆
溝呂木 眞理(チャレンジドハート代表)
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みぞろぎりほ──。言いたい気持ちがあります。
びっくりして夢のようです。長い間、
待ち望んでいました。
私に言葉があると、なぜわかったのですか?
ご覧の通り、何もできない私ですが、
ぼんやりと生きてきたわけではありません。
ずっと、私は人間とは何なのかということを、
考えてきましたから、別に世の中の人が何と
言おうと、私は私らしく生きてきました。
忘れもしない平成24年5月20日。
この日、19歳5か月の長女・梨穂が言葉を
持っていることを確認することができたのです。
生まれてすぐに脳に酸素が届かないという
原因不明のトラブルに見舞われた梨穂。
それによって体の自由はおろか言葉を話す
ことさえ奪われてしまった梨穂は、生後
僅か一か月にして最重度の脳障碍児と
なってしまったのです。
それでも私には、梨穂の中にちゃんと意思や
思いがあることをひしひしと感じてきました。
梨穂にはきっと言葉がある。
だから何としてもその言葉を引き出してあげたい
──その一心でした。
それだけに長年抱いていた思いが叶った瞬間……
※本誌では梨穂さんの魂の詩も紹介しています。
どうぞご覧ください。
『致知』2016年11月号
特集「闘魂」P30
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!