深化するシギント(通信傍受)と果てなき
情報のドラグネット(地引網)、日進
月歩で開発されるマルウェアや
コンピューターウイルス―
世界中のあらゆる情報
通信が行きかうサイバー空間。
うごめく中国、狙われる日本、
リアルを侵す攻防の実態。
世界中の情報通信が行きかうサイバー
空間は、今や陸・海・空・宇宙に
次ぐ「第五の戦場」と化した。
中国によるサイバー攻撃をはじめ
「情報の戦争」を克明に描く。
スノーデン事件やウィキリークスはもと
より、肥大化する中国のサイバー活動
の脅威、諸外国と日本の対応など、
国際情勢を裏で揺さぶる「情
報の戦争」の実態をレポートする。
2013年、イラン革命防衛隊内にあるサ
イバー部隊本部の司令官が暗殺された。
ディーンによれば、イランのサイバー
部隊は、北朝鮮のサイバー部隊や
アサド政権を支持するシリア
電子軍、レバノンのシー
ア派民兵組織ヒズボラ、
イラクのシーア派グループと
協力、ロシアや中国の民間サイバー
セキュリティ専門家の
支援を受けている。
北朝鮮サイバー部隊の能力は
侮れないレベルだ。
韓国のTV局、金融機関のコンピュータ
3万台がサイバー攻撃で使用不能と
なった事件(2013年)では北
朝鮮の関与が疑われている。
中東ではイスラエルのサイバー能力が突出
しているが、イランも急速に力をつけて
いる、とディーンは分析する。
イスラエルの人口は、わずか800万人だ
が、世界のサイバーセキュリティ市場
の5~7%を支配する。
三位一体型の「サイバー収奪・攻撃・
防衛」能力を向上させるイスラエル
は、「防衛」分野だけを切り離
して輸出し経常収支を黒字に
転換、国力の増強につな
げるしたたかな戦略を描く。
木村正人『サイバー戦・最新報告、
見えない世界戦争』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!