世界トップレベルのネット世論操作大国なり 第 2,885 号

 ロシアによるウクライナ侵攻では、情報戦と

いう名の「見えない戦い」が繰り広げ

られている。

 クリミア侵攻以来、周到に積み上げられてきた、

ロシアによる自他国の世論誘導工作とプロパ

ガンダ戦略は、世界に大きな分断をもたらした。

 海外研究機関の各種報告から読み解く、現代の

情報戦最前線と民主主義の危機とは?

 コロナ禍の中で陰謀論のコミュニティに

ロシアは深く食い込んでいた。

 陰謀論のコミュニティの影響力は想像以上に

大きく、選挙にも影響を与えた。アメリカ

議事堂襲撃事件のような事件にもつながった。

 日本から見える景色は、グローバルノース、

それも主としてアメリカを通したものが

ほとんどである。グローバルサウス

は、見えていない。

 ロシアは、世界トップレベルのネット

世論操作大国なり。

 ロシアのプロパガンダツールは、

世界に展開している。

 ロシアは、シリア、チェチェン、ウクライナに

関する、デジタル影響工作キャンペーンを繰り

広げ、アメリカのBLMに干渉し、大統領選挙

まで影響を与えた。

 ロシアは、中国と並ぶデジタル権威主義大国なり。

 どちらの国も監視システムを持ち、ネット世論

操作を行っており、超限戦あるいはハイブリッ

ド戦と呼ばれる、軍事、経済、文化などすべ

てを兵器として、利用する戦争を世界に

対して行っている。

 ロシアの監視システムは、中国製に比べると

監視性能は劣るものの、安価で導入しや

すい。監視機能が劣る部分を法制度

などでカバーしている。

 そのシステムの多くは、旧ソ連関係国を中心と

した近隣国に提供されている。効果的な運用の

ために、法制度もロシアを真似している国もある。

 デジタル権威主義国家の特徴のひとつに、ツール

を他国に輸出することによって仲間を増やし、

影響力を増大させることがある。中国も

ロシアも、デジタル権威主義ツールを

関係国に輸出している。

 中国は、デジタル権威主義ツールを一帯一路

参加国を中心に輸出、展開している。同様に、

ロシアはユーラシアを中心に輸出している。

一田 和樹 (著)『ウクライナ侵攻と情報戦』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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