アラブの春、イスラム国問題に終止符を打つ!
したたかなアラブ諸国! エジプト・サウジ・
イラン・・・ CIA、モサドに劣らない
中東情報機関の暗躍!
アメリカの民主化工作=アラブの春を逆手に
とり、イスラム国をも利用するアラブ
諸国と欧米露の暗闘を暴く。
未邦訳の海外文献を多数参照!シリア内戦をめぐる
複雑な構図が一目でわかる勢力図入り。
本書は、中東という地域をインテリジェンスという
側面から考察することを目的としている。
エジプトでは、ナセルの時代から、情報収集、特殊
作戦、欺瞞工作、それからプロパガンダに至るまで、
質の高いインテリジェンスが繰り広げられていた。
中東のインテリジェンスといえば、イスラエルの
対外情報機関であるモサドの活動に焦点が
当てられることが多い。
しかし、エジプトも、イスラエルに対抗しうるほど
の高度なインテリジェンス能力を備えていた。
エジプトでは、新しい政治警察は一般調査局
(GID)と呼ばれた。
これがのちに、国家公安調査局となる。
GIDを援助したCIA。
エジプトの自由将校団は、軍情報部を強化し、GID
を創設するにあたってアメリカに助言を求めた。
このようにCIAは反共という観点から
エジプトの新体制には好意的であった。
ドイツ「BND」の創設者ゲーレンも協力。
CID設立に協力したのは、アメリカだけ
ではなかった。
カイロはアメリカに依存し過ぎることを恐れていた
ため、ドイツ連邦情報局(BND)の創設者である
ラインハルト・ゲーレンにも協力を求めた。
結局のところ、エジプトは自らの手で情報機関を
作り上げたというのが真相であった。
自由将校団は、情報を収集、翻訳、分析する退役情報
将校を再び結集させ、ドイツ人の手記からだけでなく、
公に利用できたさまざまな文献も利用して、軍、
外務省、GID、さらにはのちに創設される
対外情報機関のための情報活動の訓練
学校を創設したのだった。
アメリカとパイプを持つサウジの王子バンダル・
ビン・スルタンの支援。
21世紀になって、シリアの行き詰まりを打開する
ために、自由シリア軍のテコ入れを主導した人物
が、サウジの王子、バンダルであった。
バンダルは1949年に初代国王の孫として
生まれる。
1969年に英国王立空軍大学を卒業。
アメリカでも研修を受けた後、サウジアラビア
空軍に入った。
のちに、ジョンホプキンス大学で国際公共政策の
修士号を得ている。
彼は、その後、1983年から2005年まで駐米大使
を務めている。
駐米大使を務めてた後は、サウジアラビア国家安全
保障局長を2005年から2015年まで務めた。
同時に2012年から14年までサウジアラビア総合
情報局長も兼任した。
当時のアブドラ国王は、バンダルの情報局長任命に
あたりペトレイアスCIA長官と会談し、サウジ総
合情報局の活動もアメリカと調整済みであった。
バンダルが、ペトレイアス長官とすでに面識が
あったことは言うまでもない。
柏原竜一
『陰謀と虐殺:情報戦から読み解く悪の中東論』
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!