言論統制や人権弾圧を平気で実行する中国の
共産党一党独裁体制――日本国内の中国理解
はほとんどこのレベルにとどまっている。
しかし、こんなワンパターンの精度の低い見方
では中国という国家の本当の恐ろしさはわから
ない。この習近平国家主席を頂点とする中国
共産党による支配を、全体主義や独裁主義
と批判するのはやさしい。無慈悲で冷徹
な組織成長マシーンへと成長した「党」
がマネージする中国は、すでに共産
主義を超越した存在となりつつ
あることを理解している日本人は少ない。
本書は、世界革命を目論む紅い組織の解剖書
です。新しい赤化様式によって、それはマイ
ルドにやって来て、そして深刻な変革を
強要します。
思いがけないこととしては、何に対しても
強い興味をもてなかったチャイナ生活です
が、大学院で専攻していた組織戦略論
だけは面白かったこと。
この学問体系の思考には情熱を持てました。
繰り返しになりますが僕は組織戦略が専門
だったのであって、何らかの領域のチャ
イナの専門家ではないです。
「組織」というモノに真剣に向き合って研究
して解析するということは、自分のビジネス
やチャイナ留学とはまったく関係なく
ハマった趣味だといえます。
中国共産党は2020年現在、所属人員(党員)
9,000万人を超える巨大なピラミッド型組織です。
世界三大宗教のように精神的なつながりでは
なく、経済や利害、契約でのつながりにおけ
る世界最大の組織なんて、流浪の科学者、
いや「マッドサイエンティスト」の僕
としては、相当に萌える分析対象なんです。
本書は僕のルーツとなる組織戦略論の構造分析
をベースにして、趣味として「中国共産党」
を見てきたもののまとめです。
これは楽しんでやってる趣味です。中国共産党
の構造が把握できると中華人民共和国という
国家の動きも見えやすくなります。
ほとんどが公開情報をまとめたものであります
ので、何か「特ダネ」や「潜入取材」のような
気合の入ったことはやってません。
大学卒業後、就職もせずに学生時代に貯めた
小銭も使ってイギリスに1年弱「遊学」して
放浪して帰国したんですけど、これじゃあ
おカネも稼げないし流石にイカンと思っ
て、帰国後に何らかのビジネスなりの
チャンスがありそうなチャイナの
地を訪れました。
就活生がまず東京に住んで就職活動を始める
のと同じくらいの感覚です。試しにやって
みるにしても、生活費も語学を学ぶコス
トもイギリスに比べれば「破格」だっ
たのでちょうどよいかな、と。
チャイナについては横山光輝の漫画『三国志』
くらいしか知らなかった僕ですから、
かなり漠然としたもんです。
中川コージ『巨大中国を動かす紅い方程式。
モンスター化する9000万人
党組織の世界戦略』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!