事業というのは百人百様で 同様に競争のパターンも無限にあるもの 第 2,041 号

 日本資本主義の父と呼ばれ、
福祉や医療、教育など、
さまざまな分野で功績を残した
渋沢栄一の生涯を描く作品です。

本日はその代表的著作
『論語と算盤』の中から、
心に残る一部をご紹介します。

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 善い競争と悪い競争

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広範囲に及ぶ「人道上の道徳」はひとまず置い
て、商売の上で、とくに輸出業などについて
私が注意してほしいと思っているのは
「競争に関しての道徳」です。

これについて、みなさんにぜひ考えてもらい、
道徳的に正しいことをしてほしいと
私は強く願っているのです。

なにかを一生懸命やろうと思ったら
「競争」ということが不可欠です。
競争があるから、
人間は力を尽くして頑張るわけですね。

競争というのが、
成長や進歩の母であるのは事実です。

ただ、この競争にも、
善と悪の二種類があると思うのです。
たとえば、毎朝他の人より早起きして、
高い志を持ちつつ、
智恵と努力で他人に打ち勝つとする。
これは当然「善い競争」です。

では、他人が企てた商売が
世間でウケているのを見て、

「よし、これをマネして利益を横取りしてやろう」

と考え、じわじわとその人の商売を
横取りしていくのはどうでしょうか?
これは「悪い競争」です。
ここでは簡単に善悪に分けられるケースを挙げ
ましたが、実際には事業というのは百人百様で、
同様に競争のパターンも無限にあるものです。

ただし、もしその競争が「善い競争」
でなかった場合は、ひょっとしたら
自分だけ儲かるケースもあるけれど、ほとんど
の場合、他人の邪魔をするだけでなく、
自分自身も損害を受けるものです。


そしてその損害は、自分や相手だけにとど
まらず、国家にまでも及びかねない。

つまり、「日本の商人には困ったもんだ」と
外国人から軽蔑されるようになってくるでしょう。
そんなことになったら、たいへんな害と言えます。
この会合にお集まりのみなさんなら、
こんなことはゆめゆめないと思いますが、
万が一あったら困るという老婆心から話して

いるのです。

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 今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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