人がきわめて豊かなのはシステムの操作方法をよく理解しているから 第 2,717 号

 超富裕層(スーパーリッチ)の生態から見えて

くる、繁栄と腐敗の構造、政官財の癒着、蔓

延する縁故主義、地方政界にまで及ぶ金権

政治――スーパーリッチの生態を通して

インド社会の諸相を描いた傑作。

 経済自由化以降の急激な成長によって誕生

した超富裕層の実態に深く切り込み、イン

ドの経済・政治・社会の諸相を、ときに

魅力的に、ときに生々しく描き出した

ノンフィクション。

 380億ドルという途方もない個人資産を持つ

インド最大の富豪ムケーシュ・アンバニを

はじめ、ビジネスのさまざまな分野で

成功を収めた億万長者が何人も登場

するが、単なる「成金列伝」では

ない。

 地方政界やスポーツ界を蝕む汚職体質など、

サクセスストーリーの裏に見え隠れする負

の側面から、インド社会に根深く残る

腐敗の構造をあぶり出していく。

 2010年には、49人ものインド人が、雑誌

フォーブスの世界長者番付に掲載

されるようになった。

 今では「インド一敷居の高いクラブ」の

メンバーは、100人を超えるまでに膨

らむ。アメリカ、中国、ロシア

に次ぐ規模になった。

 ロシアのオルガルヒと同様に、経済力と権力

との親密さを兼ね備えたさまから、巨万の富

をもつ新興経営者たちについて、冗談めか

して「ボリガルヒ」と呼ばれることもある。

 超富裕層が誕生するきっかけは、

インド国内の経済改革だった。

 インドの超富裕層の台頭は、縁故資本主義

という問題にもつながっている。

 オックスフォード大学のポール・コリアーに

よると、いかなる社会であれ、絶対的貧困

から脱却するためには、課税、法律、

治安という3つの国家制度を

整備しなくてはならないという

 インドの場合、3つのすべてで、いまなお

独特の腐敗がはびこっている。

 腐敗が途上国を蝕むのは、国民に道徳心が

ないからではなく、往々にして

有用だからである。

 楽観的にみれば、腐敗は成長の

潤滑油として機能しうる。

 ハンチントンによると、腐敗による収益は、

不安定な社会集団を結束させると

いう役割があるとのこと。

 インドは世界最大の新興国市場であり、

今後も外国からの投資先であり

つづけるに違いない。

 完璧に機能しているとはいえないが、インド

の民主主義的な制度、つまり裁判所や規制

当局、メディアや政党は、今後の成長

に必要な確固たる基盤になるだろう。

 インドで一部の人がきわめて豊かなのは、

彼らが有能なビジネスマンだからでは

なく、システムの操作方法をよく

理解しているから。

社会のシステムも含む。

ジェイムズ・クラブツリー (著),

 笠井 亮平 (翻訳)『ビリオネア・インド』

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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