1 幸せになる4つの因子
2 今日の「一日一言」/己を正しく保つ
3 創刊40周年「致知と私」/村上和雄
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1 幸せになる4つの因子
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前野 隆司(慶應義塾大学大学院教授)
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人間はどうすれば本当の幸せ、争い
のない幸福な社会を実現する
ことができるのか。
この問いに、一つの明確な答えを出し
たのが、前野隆司さんです。
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まず取り掛かったのは、世界中の幸せ
に関する研究を調べることでした。
すると、「自己肯定感が高い人は幸せ」
「感謝する人は幸せ」など、膨大な研
究結果を得ることができました。
しかし、「感謝する人は幸せ」の研究で
あれば、「感謝」という観点でしか幸
せを捉えておらず、幸せを総合的
に捉えた研究は少なくとも日
本では行われていないこ
とに気づいたのです。
一つのテーマを掘り下げていくことは
もちろん大切ですが、バラバラに研
究したままでは、その成果を社会
で生かすことは容易ではありません。
それなら、自分が過去の幸せ研究を体系
化しようと思い、そのために活用した
のが“因子分析”という手法でした。
因子分析は、多変量解析の一つで、多く
のデータを解析し、その構造を明ら
かにするための手法です。
そう言うと難しそうに聞こえますが、
統計ソフトを用いれば、因子分析
は簡単に行えます。
具体的には、幸せに関する過去の研究
やアンケート結果をコンピュータ
にかけ、専用ソフトで計算
するということを行いました。
学生たちとともに因子分析を行った
結果、2012年頃、この要因を満
たせば誰もが幸せになれると
いう因子が得られました。
それは次の四つの因子です。
・第一因子『「やってみよう!」因子』
(自己実現と成長の因子)
・第二因子『「ありがとう!」因子』
(繋がりと感謝の因子)
・第三因子『「なんとかなる!」因子』
(前向きと楽観の因子)
・第四因子『「ありのままに!」因子』
(独立と自分らしさの因子)
第一因子の『「やってみよう!」因子』
は、人生の大きな目標や日々の目標を
持ち、それを実現していくための
自分の強みが分かっている、
また、強みを生かすた
めに学習・成長し
ようとしている
人は幸せであることを示しています。
第二因子の『「ありがとう!」因子』
は、人に感謝して、人のために何か
をしたい、誰かを喜ばせたいと
いう気持ちが強く、様々な
人と交流を持っている
人は幸せであるということです。
第一因子が自己実現や成長といった自分
に向かう幸せだったのに対して、第二
因子は感謝と利他、他人に向かう
幸せだといってよいでしょう。
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!