本日は力になる禅の言葉を、
作家・東洋思想家の境野勝悟氏と円覚寺管長
の横田南嶺氏に読み解いていただいた記事を
配信いたします。
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〈横田〉
白隠禅師のお師匠さんだった正受老人が、
晩年に村人相手にやさしい言葉で生き方を
説かれたのが、有名な「一日暮らし」です。
人間の一生、どんな辛いことがあっても
きょう一日の辛抱だと思えば耐えられるし、
逆に嬉しいことがあってもきょう一日と思え
ばそれに耽ることもない。
誰でも、きょう一日、目の前のことであれば
頑張れる。きょう一日一所懸命やればいいと。
そうして最後に、
「一大事と申すは今日只今のこと」
と締め括っています。
〈境野〉
心に染みる説法ですね。
実は、私は人生の目標って立てたことが
ないんです。ただ「縁」だけは大事にして、
いつもそれに精いっぱい報いてまいりました。
そうしたら、思いがけず素晴らしい出会いに
恵まれ、東洋思想の本を30冊ほど書かせて
いただくことができた。
ただひたすらご縁に従ってやっているうちに、
こういう自分になったんです。
いまの若い人の中にも、目標が立たないと
言って悩んでいる人が多いんですね。
そういう青年たちには、俺も目標を持たな
かったよ。だけど人の縁を大事にして、
「今日只今」を一所懸命やってれば人生は
開けていくんだよと申し上げるんです。
〈横田〉
「今日只今」というのは素晴らしい教えですね。
※本記事は2014年8月号特集「一刹那正念場」
より一部を抜粋・編集したものです。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!