人生の活躍期は全精根を傾け尽さねばならぬ 時期 第 1,929 号

本日は、森信三先生が説いた人生講話
 『若き友への人生論』の中から
 一部をご紹介いたします。

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『若き友への人生論』

「35歳からの5年間こそ、
 最重要期間」

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三十五歳から四十歳までの五年間であるが、
この五年間はわたくしの考えでは、
人間の一生のうちで、
最も重大な時期といってよいかと思うので
ある。


即ちこの三十代後半の五年間というものは、
かりに三十代の十年を、
人間の活躍期の三十年の中で考えたら、
やはりまだ一種の準備期といってよく、
しかもその最後の仕上げ期間に該当するが
故である。


かくしてこの三十代の後半の五年間というもの
は、ちょうど十五歳から三十歳までの
人間の基礎形成期中、その最後の
五年間の二十五歳から三十歳までが、
その仕上げ期であるのと相似た趣であって、
いわばそれの一段高次の段階といえるであろう。

かくしてこの三十代の後半は、まさに、「高次
の基礎形成期」といってよいであろう。

この事は、たとえば学問の領域について考えて
も、西晋一郎・西田幾多郎という二人の巨人に
ついても、ひとしく当てはまるのであって、
これら民族のもつ独創的な思想家にとって、
この三十代の後半は、まさしく
その独創的思想の基礎的萌芽の胚胎期だった
といってよく、しかしそれが
奇しくも契合しているが、しかしこれは
ひとり学問の世界においてのみならず、
広く一般の職業に従事する人々についても、
あまねく通じる真理といってよいであろう。

たとえば実業家などの場合でも、
いっかどの仕事をした人々をとってみたら、
必ずやその基礎は、
この三十代の後半において為された人が、
その大部分を占めるといってよいであろう。
ではこのような人生の活躍期中、
その第一期ともいうべき三十代について、
とくに注意すべき点は、如何なる事という
べきであろうか。


今この点について考えるに、なるほどそれは、
確かに人生の活躍期三十年の中では、
第一期といえるが、しかし同時にそれはまた、
活躍期三十年に対しては、
基礎形成期という点であろう。
即ち二十代の十年が、人生の準備期だった
のと比べて、それは一段と
高次の基礎形成だという点である。

随ってそこで大事なことは、われわれは
ひとり自己の心・力を尽すのみでなく、
さらに身体的にも、全精根を傾け尽さねば
ならぬ時期だということである。

けだし身・心は相関相即ゆえ、真にその心を
尽すということは、同時にこれを
身体的側面からいえば、体力の限りを
傾け尽すでなくてはならぬのである。

総じて基礎づくり、ないし土台づくりという
ものは、そうしたものであって、
全心・身を提げてこれと取り組み、
全精根を傾け尽すことによって、はじめて、
いわゆる土台づくりは出来るわけである。

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    ありがとうございました。感謝!

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