二千数百年以上にもわたり、読み継がれてきた
人類史上の大ベストセラー&ロングセラーであり、
一生に一度は読んでおきたい不朽の古典『論語』。
社長、部長、課長など、
「長」と名の付くすべての人に。
また、『論語』を初めて学ぼうとする人にも、
極めたい人にも、ぜひご一読をおすすめしたい
人間学の名著です。
本書の魅力について、弊社社長で、
月刊『致知』編集長の藤尾秀昭が、
以前、メールマガジンに綴った文章を
ご紹介します。
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年齢に込められた意味を知る
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中国古典に「曲礼」(きょくらい)という
『礼記』の一篇があります。
「曲」というのは「くわしい」という意味です。
その「曲礼」の中に「年齢」のことが書いて
あります。
人生まれて10年を「幼」という――学ぶ。
(教えを受ける年齢ということです)
20を「弱」という――冠す。
(冠をつける年齢だということです。
「弱冠」というのはここからきたようです)
30を「壮」という。
40を「強」という。
50を「艾」(がい)という。
60を「耆」(き)という。
70は「老」という。
80、90を「耋」(てつ)という。
30代はエネルギーが旺盛です。まさに壮です。
40になると、それがさらに強くなる。
50は「艾」(がい)。
艾というのは、頭に白いものが
まじってくるという意味のようです。
ごま塩頭というやつですね。
ただ、艾には、刈りとるという意味もある
ようですが、30代、40代は意気盛んで
ある故に、いろんなムダなものをつけている。
そういうムダなものを取り去り、省いていく――
そういう年齢だということだと思います。
そして60は「耆」(き)。
これがおもしろいですね。「老」の上の字に
「旨」で「き」といいます。
「旨」というのは「うまい」ということです。
「うまい」というのは、あまいとか酸っぱい
とかという単純な味ではない。
5つの味をミックスした、
たとえようのないデリケートな味のことをいいます。
だから、これに手ヘンをつけると、
「指」――指というのは独得のデリケートな働きを
しますね。魚ヘンをつけると、
「鮨」――独得のうまい食物です。
つまり、「耆」というのは、
人生のあまいもからいも、あらゆる体験を通して、
なんともいえない人間の風味がでてくる
年齢だということです。
この伝でいえば、60代は人生の黄金期と
いえそうですね。
70は「老」。これは「老い」という意味も
いえそうですね。「練れる」「熟する」と
いう意味もあるのです。「耆」がさらに練られ、
熟していく年齢です。
そして、80、90は「耋」。
「老」――すなわち「練」がさらに至ると
いうことです。
こう考えると人間の一生は楽しいものです。
「曲礼」が教えるように、年を取りたいものです。
そのためにも「修養」です。
『致知』を通じて、人間学の学びを共に
深めていきましょう。
ちなみにこの「曲礼」のことは伊與田覺著
『「人に長たる者」の人間学』に出ています。
古典を語ってこれほどおもしろい本は
なかなかありません。
今年も1年「生きる・食」をご愛読
いただき、誠にありがとう
ございました!
今年の配信はこれが最後となります。
みなさまどうぞよい年越しを、
そしてよき年をお迎え下さい。
来年は1月2日から配信いたします。
よろしくお願い申し上げます。
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!