人間の魂は、死後も生き続けるのか。
死んだらそれまでなのか。
これは人類にとって大きな謎の一つです。
シスターの鈴木秀子さんは、いまから30年
ほど前、旅先で臨死体験をされました。
その体験を、曽野綾子さんとの対談の中で
紹介されています。
────────[今日の注目の人]───
☆ 人生をどう生きるのか ☆
鈴木秀子(文学博士)
×
曽野綾子(作家)
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【鈴木】
私の人生の転機について少しお話しさせて
いただくと、四十歳くらいの頃に臨死体験
をして、そこから人生観というものが
大きく変わりました。
その頃、私は近代文学学会に属していて、奈良で
あった学会に参加したんです。
宿泊したところが、宮様のお屋敷を改造した
修道院で、部屋までは急な長い梯子が掛けて
ありました。
私は夜中に廊下を歩いていて足を踏み外し、
下まで落ちてしまったんです。
すぐにシスターたちが駆け寄ってくれた
らしいんですけど、5時間くらい意識が
ありませんでした。
【曽野】
その間に臨死体験をなさったのね。
【鈴木】
気がつくと、運ばれた病院の部屋の真ん中に
立っていて、それを斜め上から見下ろして
いるもう一人の私がいました。
私が立っている下に台座があって、その回りに
筍の皮みたいな、どうもそれは蓮の花だと後で
思ったんですけど、それが一枚一枚落ちていく。
見ているもう一人の自分は何とも言えない
ほど心地がいいんですね。
頭も冴えていて痛みはまるでない。
一枚落ちるたびに世俗的なことから一つ
ひとつ自由になっていく。
【曽野】
しがらみがなくなり自由になる。
最高の感覚ね。
【鈴木】
あと一枚落ちたら完全に自由になるという時……
※臨死体験は鈴木さんの人生を大きく変えました。
この体験の中で、鈴木さんは「命の源」と
思える存在から、人生に大切な二つの
ことを教えられます。
その大切な二つとは何でしょうか。
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『致知』推薦の言葉
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困った時、苦しい時、人は、本物の力を
求めます。
この力によって、困難を乗り越え、
人間として成長し、真の幸福に
一歩ずつ近づいていきます。
そして、自分のためのみならず、
多くの人々に貢献していきます。
『致知』は、この「本物の力」の泉です。
── 鈴木秀子氏(文学博士)
『致知』2016年10月号
特 集 「人生の要訣」P22
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!