「上品とは、欲望に対してスローモーな奴」。
落語界のレジェンド・立川談志が逝って
はや10年。その活躍は多岐にわたり、
多くの著作や音源で金言・名言、
芸論等を遺してきた。没後
10年の節目に、高座など
では分からない「普段の師匠を
もっと知って欲しい」――前座生活16年半。
弟子の中で一番長く談志のそばにいた著者だから
こそ知る、唯一無二、笑いはもちろん、ホロリ
とさせるエピソードも満載!!
立川談志はいった。「情報を疑え、常識を疑え、
人間なんて支離滅裂、いいかげんなものだ」
あるとき、談志が、行きつけだった銀座のバー
「美弥」で石原慎太郎さんと呑んでいたとき。
談志が石原さんに聞いた。
「世の中に言いたいこと、どんくらい言えてる?」
「半分も言えてない」そして石原さんが逆に、聞き
返した。
「談志は、好きなこと言えているだろう?」
「そうでもないよ。立川談志を求められるしな」
そしたら、石原さんが、ニヤッと意味ありげに
笑った。その会話は今でも印象に残っている。
「落語家は逆目を張れ。人が思いつかない違う
ことを言え」談志は、よく弟子にそういっていた。
「酒が人間をダメにするんじゃない。人間は
もともとダメだということを酒が教えて
くれるのだ」
面白い生活をしていない奴に、
面白い話はできない。
基礎は、キチンとやれ。基本をやっていれば、
必ず残れる。迷ったら基本にかえれ。自分を
過信する奴は馬鹿だ。残っている奴は、
基礎がある奴だ。
談志はよく言っていた。「自ら仕掛けなけれ
ば栄光はない」そのためには、何でもやって
みろと。とにかく動いてみろと。
人生は、死ぬまでヒマつぶし。親しくしていた、
いかりや長介さんが亡くなったとき、談志は
テレビの取材で言っていた。「送る言葉は
ないよ。あいつは俺の中で生きているから」
タレントで売れない奴ほど、事務所の悪口を
言う。そして売れるのは狂える奴だ。
仕事とは、人間関係でイヤな思いをすることが
主だ。むしろそうでなければ、それは仕事とは
言えない。
やる奴は止めてもやる。やらない奴は、
いくら言ってもやらない。
「たった一言でもいい。日記を毎日書け」
談志の弟子ならば、それは絶対に言われている。
落語は、リズムとメロディである。
映画を観ない落語家の落語が、面白いはずがない。
銭湯は、裏切らない。
ユーモアは、不幸を忘れさせる。
立川 キウイ (著)『談志のはなし』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!