『致知』6月号での文学博士・鈴木秀子先生と
多摩大学大学院名誉教授・田坂広志先生の対談
「未来の世代に伝えたいこと」が
大きな反響を呼んでいます。
そこで本日は、この対談の取材手記を配信
します。「魂の呼応」ともいえるこの対談が
実現した背景を、いささかでもお伝え
できたらと思います。
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『致知』でお馴染みの鈴木秀子先生(文学博士)
と共に、富士山にほど近い田坂広志先生
(多摩大学大学院名誉教授)のご自宅を訪れた
のは3月半ばでした。
この日はあいにくの雪交じりの雨模様。
田坂先生は尊敬する鈴木先生に、
テラスから眺望できる美しい富士山を
ご覧いただきたかったご様子でしたが、
鈴木先生はそういう田坂先生に「こういう
しっとりした景色もまた、素晴らしいじゃ
ないですか」と笑顔で答えられていました。
病床の人たちに寄り添い、死の恐怖を取り除く
鈴木先生の活動について、その著書を通して
田坂先生が触れられたのは30年ほど前。
以来、いつかお会いしたいと思い続けられて
いたそうです。
鈴木先生もまた、ご自身と同じことを
話されている先生がいると聞き、
田坂先生の本を何冊も読まれていました。
そんなお2人がこの度、初めて出会い対談された
ことに、何か運命のようなものを感じないでは
いられません。
実際、対談はまるで導かれるようにスムーズに
進行し、「魂の呼応」という言葉そのものの
展開となりました。お2人は共に
「人間は大いなる存在によって生かされている」
という人生観をお持ちです。
目の前に起きる出来事を、
それがたとえ逆境と思えるようなことでも、
大いなる存在の導きと受け止め、
絶対肯定して歩んでいく時に道が開かれる──。
6月号の誌面では、様々な実体験をもとに、
その人生観を深く掘り下げられるお2人のお話を
詳しく紹介させていただいています。
それはいま、多くの読者の皆様に希望と勇気を
与えています。
お2人の言葉を引用させていただきます。
「若い頃、『なんでこんな出来事が起きるの
だろう』と思っていたことが、
長い年月を経た後に、
それが人生の曲がり角で自分を成長させてくれて
いた大切な経験だったことに気づく。
歳をとることの素晴らしさは、
そういう過去を振り返って見直せるところなん
ですね」(鈴木秀子)
「もし我々が、与えられた人生において、
人間として成長していくことをめざすならば、
たとえ、どのような逆境や挫折が与えられても、
それを糧として、必ず、成長していくことが
できます。そして、成長の喜びを感じることが
できるのですね」(田坂広志)
今回の取材を通して、
人生での縁をとても大切にされる
田坂先生のお人柄に触れることができました。
30代の頃、死の病と向き合われた先生は、
人生は一度切りであること、限られた人生の
中での出会いの一つひとつがいかにかけがえの
ないものであるかを痛感されたそうですが、
そういう逆境体験が田坂先生の人格を育んだので
しょう。
今回の邂逅に深い意味を感じ取られたお2人が、
別れ際、再会を誓い合っておられる姿が大変
印象的でした。
ありがたいのは、お2人が私たちの『致知』を
高く評価してくださっていることです。
『致知』の取材を通してお2人が出会われたのも、
やはり大いなる存在の計らいだったのかもしれ
ません。
致知出版社の人間力メルマガ
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!