人間は欲望が満たされると自惚れ.身勝手になってしまうものだ = 3-2 = 第1,233号

 「商人は政治を語ってはならない。ファー

ウェイは純粋かつ徹底したビジネス組織

であるべきだ。政治とビジネスの癒

着やもたれ合いなど、中国の商

業史の悪しき伝統とは完全

に決別しなければならない」。

 

 任は自分自身や社員に対して、そんな

厳しい一線を引くことを課しているのだ。

 

 成功とは生き延びること。

 

 ある研究者は、任の経営について

次のように総括している。

 

 「幾多の書物をひもとき、万里の道を

歩むも、行ってきたのはただひとつ」。

 

 考えてみれば正にその通りだ。

 

 任は長年にわたって私的な交友をほとん

どせず、余暇や移動時間の大半を

読書と思索にあてている。

 

 外部のどんな誘惑にも負けず、個人や

組織の様々な衝動を押さえ込む忍耐力。

 

 それこそが、ファーウェイの成功を

支える大きな要素のひとつなのだ。

 

 1997年12月、任とファーウェイの経営

幹部は北米大陸横断の旅の途上にあった。

 

 東海岸から西海岸へ、米国のIT企業

を次から次に訪ねて回ったのだ。

 

 そこで見聞きした米IT産業の興亡史

に、彼らは大きな衝撃を受けた。

 

 「大企業が一つまたひとつと

苦況に陥り、消滅していく。

 

 いくつものベンチャー企業が天に届く

ほどの勢いで成長したかと思えば、

次々と雷に打たれる。

 

 ここでは企業が絶え間なく誕生し、

絶え間なく死んでいくのだ」。

 

 任にとって、それは500年以上続いた

中国古代の春秋戦国時代を1日に凝縮

させたような光景だった。と同時

に、彼は米国のオープンな文化

やイノベーションが生み出す

偉大なエネルギーを心の

底から感じていた。

 

 旅の途中で迎えたクリスマス。米国中が

聖なる灯をともして家族団らんを楽し

んでいた頃、任は幹部たちとシリ

コンバレーの小さなホテルに

閉じこもって会議を開き、

3日間ぶっ続けで議論した。

その議事録は100ページ以上に達した。

 

 どんな大企業でも、絶えず変化する環

境に対応できなければ生き残れない。

 

 では、ファーウェイはどうすれば

生き残れるのか。この旅を通じて

任が強い共感を覚えたのは、米

国人たちの奮闘精神だった。

 

 生き延びることこそ勝利。

 

 中国には4000万社を超える中小企業

があり、GDP(国内総生産)の6割、

雇用の8割、そして税収の5割

を生み出している。

 

 だが、ある調査によれば中国の企業の

平均寿命は3年未満で、毎年100万

社以上が倒産しているという。

 

 こうして、「生き延びる」ことはファー

ウェイの最低限かつ最高の戦略

目標となった。

 

 草創期の社内資料や任のスピーチなどを

調べると、目につくのは「オオカミの

ように強く賢くあれ」、「進歩す

るために面子を捨てよ」など

といった精神論的なフレー

ズばかりである。

 

 命の危険を顧みない奮闘。

 

 ファーウェイは、創業以来直面してきた

無数の危機を、奮闘を通じて一つ

ひとつ乗り越えてきた。

 

 

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今回も最後までお読みくださり、

             ありがとうございました。感謝!

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