戦後教育の立て直しに情熱を注いでいる
元高校教師の中村正和さんは、
普通高校や定時制高校での苦しい体験を経て、
「共に是れ凡夫」の自覚に至ります。
先生も生徒も皆、
本当は凡夫であることを自覚するところから、
それぞれが許し合い、それぞれのよいところを
出し合って、協力する「和」が生まれる――
中村さんが至った境地に学びます。
対談のお相手は、空手の指導と人間教育に
44年取り組んできた瀬戸謙介さんです。
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(中村)
……その一方、救えなかった子供たちも山ほど
いたわけです。普通高校でも、さんざん指導
していた生徒がまたタバコを吸ってしまい、
黒板に「先生ごめんなさい」と書いて
失踪してしまったことがありました。
その度に、私は教育をやる資格があるのだろう
かと自分自身に問い続けてきたんですね。
瀬戸先生にも叱咤激励され、
いろいろご助言をいただいてきました。
私が最終的に到達したのが、
聖徳太子の「十七条憲法」第十条にある
「共に是れ凡夫」
の自覚でした。
聖徳太子はこの言葉で、
自分も含めて人間は誰もが欲深く
欠点だらけの弱い情けない存在で、
先生も生徒も皆、本当は「凡夫」だと
おっしゃっているんですよ。
これは、定時制高校の子供たちから]
教えられたことにも通じます。
つまり、立派な偉い人間になったから
人に教えるのではなく、
「共に是れ凡夫」であるがゆえに、
共に学び合い、助け合うことが大切であると。
私は立派な人間でなければ、人に道徳や武士道
を教える資格はないと勘違いしていた。
また、「十七条憲法」第一条には
「和を以て貴しとなす」とあります。
人間は皆凡夫であるがゆえに、お互いの
駄目なところを認め合って許し合い、それぞれ
のよいところを出し合って一生懸命協力する。
そうすることで和が生まれる、
日本はそうした「和の国」なのだということに
思い至りました。
※この後も、まだまだお二人の熱い
教育対談が続きます。
日本の教育を取り戻し、
徳のある子供たちを育てるには
どうすればよいのか。
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!