合気道の開祖・植芝盛平翁という
伝説の武道家がいました。
不世出の武道家と称えられながら
世界の和合を説き、愛の心を技と
して確立した盛平翁の生き方を、
最後の内弟子である菅沼守人
さんにお話しいただきました。
───────「今日の注目の人」───
管沼 守人(エ合気道祥平塾道場長)
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──植芝先生の教えとは、どのような
ものですか。
大先生はよく「合気道は実践の武道
である」と話されていました。
つまり相手を無理に倒したり怪我を
させるのではなく、心身を鍛練して
真の人をつくるのが武道の目的だと。
例えば、こういう言葉を残されています。
「合気とは、いうなれば真人養成
の道であるともいえる。
それで気育、知育、徳育、体育、それ
に常識の涵養が肝要となってくる」
「合気道は魂の気の洗濯が一番、その
次には己の心の立て直しが肝要である」
私たちは人のことはよく見えますが、
自分のこととなるとなかなか
見えません。
まず自分自身を直していくのが
武道の本義だということですね。
そういう人が一人、二人、三人と増えて
いけば世の中は自然とよくなっていく。
それがゆくゆくは合気道で世界の人たち
が手を結び合えるような世の中になると
いうことを大先生は説かれたのでしょう。
安岡正篤先生の教えにある「一灯照隅、
萬灯照国」にも通じることだと思います。
──ある意味では、修養の大切さを
説かれた言葉だとも言えますね。
そう思います。
例えば道場では強い、稽古も熱心。
だけど一歩外に出て実生活はいい加減、
というのではやはり心許ないですね。
大先生は、「合気とは、天地の心を以て
我が心とし、万有愛護の大精神を以て
自己の使命を完遂することである」
とおっしゃっています。
一人ひとりが仕事なら仕事、学問なら
学問に全身全霊で打ち込んでこそ、
初めて人間は磨かれていく
ものなのでしょう。
私たちは稽古で「相手と一つになる」
という言い方をしますが、稽古を
とおして「そのものになり
きる。仕事や学問と一つになる」
ことを学ぶのが大事だと思います。
──植芝先生はまさにそういう
方だったのでしょうか。
はい。大先生は武道家として生涯鍛錬
に次ぐ鍛錬を重ねられた方ですが、
最晩年もなお……
※植芝盛平翁はどのような人生を
歩まれたのでしょうか。
最新号に詳しく紹介されています。
『致知』2017年7月号
特集「師と弟子」P50
今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!