他の人が信じられないような努力をして経験を積む 第 2,828 号

神の手を持つ男と呼ばれる脳外科医・福島孝徳
さん。その手術には、全世界から脳外科医が
見学に訪れるといいます。

福島さんはいかにして
世界一の技術を身につけたのでしょうか。

その心構えと実践に学びます。
対談のお相手は、多数の病院や
リハビリテーション施設を展開する
南東北グループ総長・渡邊一夫さんです。

─────────────────

〈福島〉 

私は若い時からとにかく、
日本一、世界一になりたかった。そのため
には普通のことをやっていたらダメなんで、
「人の2倍働く」「人の3倍努力する」
という方針でやってきました。普通の人が
寝ている間、休んでいる間に差をつけると。

そういう姿勢で若い頃から腕を磨いてきたんです
けど、いま71歳(取材当時)になってみると、
人生は短い。私に残された時間はもう少ない。
だから、一刻も無駄にできないんです。

〈渡邉〉 

いまは年間どのくらい手術をされているんですか?

〈福島〉 

600回ですね。
一番の盛りは三井記念病院にいた43歳の時で、
900回はやっていました。

私は人間の年齢には暦の上の年齢と、生理学的
な年齢の二つがあると思っているんです。
私が本当に感心するのは、
経団連の会長をされていた土光敏夫さん。
80を過ぎても矍鑠としていましたよね。
素晴らしい人でした。

で、いま世界でも、例えばモスクワの
国立ブルデンコ脳神経センターというところは
脳外科だけで2000床もあるんですが、
ここの総帥がコノバロフという人で
83歳のいまも毎日手術をしている。

〈渡邉〉 

ああ、そうでしたか。それは凄い。

〈福島〉 

それからローマ大学のカントーレという教授、
彼もいま83ですけど、手術をしています。

私自身、手術に関しては
いまだにマスターチャンピオンですよ。
目と手は全然若い人に負けない。だからあと
10年は大丈夫じゃないかなと思っています。

これにはやっぱり天性の才能が
少なからずあると思うんですけど、
それ以上に膨大な数をやっています。
だから、私はいつも言うんですけどね、
人生は一に努力、二に努力、三に努力、
全部努力なんですよ。他の人が信じられない
ような努力をして、経験を積む。

※本記事は月刊『致知』2014年2月号
「一意専心」一部抜粋・編集したものです。

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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