日本人なら誰もが知っている有名な歴史上
の人物五人を取り上げ、彼らの発想力・
創造力の素晴らしさをご紹介します。
彼らはどのようにして、それを成し遂げた
のか。その発想のポイントを見ていくこと
で、どのように工夫していけば新しい
価値を生み出すことができるのか
を学ぶことができるはずです。
本当に勉強ができる人は教科ごとの落差が
ほとんどない。それは、上達の普遍的
原理をつかんでいるからだ。
そういう人は、会社に入って資格を取れと言わ
れてもすぐにコツをつかんで試験に合格する。
東大の卒業生には、そういう人がたくさん
いた。彼らは会社に入ってからも、
どんどん試験に合格していく。
上達のコツを掴むには、何か一つでいいので、
自分が上達した経験のあるものを思い起こし
て上達の記録を書き起こしてみることだ。
宮本武蔵の哲学の根本は、「上達の原理を
掴む」ということだ。そのためにすべき
ことは、「よくよく吟味、工夫、
鍛錬する」ことだ。
発想力は「目の付け所」である。
松尾芭蕉に学ぶ。
芭蕉の発想力を一言でいうなら
「目のつけどころ」である。
「茶の湯」は何を芸術にしたのか。茶の湯は、
単にお茶を飲むだけのものではない。お客
さんを招き入れて、食事をしたりお茶
を飲んだりして語り合い、気持ち
よく帰ってもらう、そのすべ
てが茶の湯なのだ。
発想とは面白さの発見である。
千利休と美意識を共有した古田織部。
江戸時代のクールジャパン。葛飾北斎。
売れることにこだわった葛飾北斎。北斎は、
徹底的に売れることにこだわった人だった。
90歳にして「もっと上手くなれたのに」。
北斎に学ぶべきことは、何にもとらわれず、
ただ向上を目指す心意気だ。年齢に関係
なく、ひたすら技術の向上を目指し
た北斎の態度は、高齢化社会に
生きる我々にも示唆に富む。
死ぬ間際にも、まだ上達をあきらめていな
い。あと10年、いやあと5年あればちゃん
とした画家になれるのにと、北斎のよう
なレベルの人が言うところに凄みがある。
北斎のこうした、やりきっているから
こその軽やかな人生観というものも
見習いたいところだ。
齋藤孝『型破りの発想力:武蔵・芭蕉・
利休・世阿弥・北斎に学ぶ』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!