会社が消えても人生は終わらない。
図らずも、ダウンサイジング時代の先兵
となった企業戦士たちの物語。
『三洋電機―井植敏の告白』の続編。
「世界の工場」の座から滑り落ちても、
英国が消えたわけではない。
多くの名門企業が姿を消しても、英国人
は現実と折り合いをつけながら
働き、生活している。
三洋電機という船から放り出された約9万
人の人々も、どこかで働いている。
そこから始まる新しい人生があるのだ。
欧州のプライベートバンカーは資本家
の資産を守ることを本分とする。
安全に確実に、時には大胆に創業家が
築いた富を運用し、次の世代に引き
渡すのがプライベートバンカー
の矜持である。
大げさに言えば、産業革命から7つの海を
支配した大英帝国時代にかけて貯め込ま
れた資本が、長い歳月を経た今も、
エジンバラで運用されているのだ。
大陸欧州に目を向けてもドイツBMW
の大株主であるクウァント家、ロス
チャイルド家など創業家の物語
が面々と続いている。
彼らやビル・ゲイツは財団を通して、
社会事業に尽力している。
こうして創業者、資本家は末代まで
名声を保ち、次の世代のロール
モデルになっていく。
起業家が資本家になり、その資本が
推進力となって、新しい産業を生む。
それが資本主義である。
日本の大企業が3世代を超えて統治を
続けている創業家は、サントリーや
トヨタ自動車など数えるほどしかない。
日本の金融機関は欧州のプライベート
バンクのように創業家の資産を守る
どころか、無謀な投資に駆り
立てて破産に誘う。
国は相続のたびに税金を召し上げる。
松下電器の社長になった中村は大きな
決断をするとき、人払いをして真々奄
にこもり、瞑想にふけった。
関西経済界における大阪大学人脈は、
関東の東大人脈よりはるかに濃い。
大西康之『会社が消えた日:三洋
電機10万人のそれから』
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今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝