便利さと自然.生き物の命が同じ天秤にかけられている・・・ 第 815 号

 毎号、その道で活躍されている方々の人生を

ギュッと凝縮してお伝えしている「致知随想」。

 まず、このコーナーからいつも読んでいる

という読者の方も多くおられます。

 それぞれのご体験談から、生きた

人間学を学びます。

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「必要でない命はない」
川下 都志子(一般社団法人Silva代表)
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 私が環境問題に関心を抱いた原点は、

幼少期のある体験に遡ります。

 私は1969年に新潟に生まれ、5歳から母の

実家がある愛媛県松山で育ったのですが、

病弱で運動ができなかったこともあり、

草花や小川にいる生き物と遊ぶのが

大好きな子供でした。

 しかし、ある日突然、ブルドーザーがやって

きて、遊んでいたお花畑を破壊し、小川を

コンクリートで埋め立ててしまったのです。

 当時は日本が高度成長期に突入していく

頃で、その開発の波が松山にまで

及んできたのでした。

 恐怖を感じた私はすぐさま自宅に駆け

込み、「遊んでたお花畑や小川がなく

なっちゃった!」と、家族に

涙ながらに訴えました。

 しかし「経済が豊かになって生活が便利に

なっているんだよ」と、誰も相手に

してくれないのです。

便利さと自然、生き物の命が同じ天秤にかけ

られていることに違和感を覚えながらも、

やがて私は「自分は皆と違い変なんだ」

と、自分の感覚を封印してしまったのでした。

 その頃より、父が仕事で家を空けることが

多かったことから、呉服屋を営む祖父の

店によく遊びに行くようになりました。

 日本の着物文化などについて教えてくれる

祖父は尊敬すべき存在で、祖父といる

時間は本当に幸せでした。

 ところが、その祖父も……

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・月刊誌『致知』のPRページ
http://www.chichi.co.jp/special/teiki1708/
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。感謝!

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