毎号、その道で活躍されている方々の人生を
ギュッと凝縮してお伝えしている「致知随想」。
まず、このコーナーからいつも読んでいる
という読者の方も多くおられます。
それぞれのご体験談から、生きた
人間学を学びます。
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「必要でない命はない」
川下 都志子(一般社団法人Silva代表)
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私が環境問題に関心を抱いた原点は、
幼少期のある体験に遡ります。
私は1969年に新潟に生まれ、5歳から母の
実家がある愛媛県松山で育ったのですが、
病弱で運動ができなかったこともあり、
草花や小川にいる生き物と遊ぶのが
大好きな子供でした。
しかし、ある日突然、ブルドーザーがやって
きて、遊んでいたお花畑を破壊し、小川を
コンクリートで埋め立ててしまったのです。
当時は日本が高度成長期に突入していく
頃で、その開発の波が松山にまで
及んできたのでした。
恐怖を感じた私はすぐさま自宅に駆け
込み、「遊んでたお花畑や小川がなく
なっちゃった!」と、家族に
涙ながらに訴えました。
しかし「経済が豊かになって生活が便利に
なっているんだよ」と、誰も相手に
してくれないのです。
便利さと自然、生き物の命が同じ天秤にかけ
られていることに違和感を覚えながらも、
やがて私は「自分は皆と違い変なんだ」
と、自分の感覚を封印してしまったのでした。
その頃より、父が仕事で家を空けることが
多かったことから、呉服屋を営む祖父の
店によく遊びに行くようになりました。
日本の着物文化などについて教えてくれる
祖父は尊敬すべき存在で、祖父といる
時間は本当に幸せでした。
ところが、その祖父も……
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・月刊誌『致知』のPRページ
⇒ http://www.chichi.co.jp/special/teiki1708/
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今回も最後までお読みくださり、ありがとう
ございました。感謝!