なぜ京都には「一見さんお断り」のお店がある
のか、不思議に思ったことはありませんか?
もちろん「一見さんお断り」なので、初めての
人は紹介がないと利用できません。
これを「高飛車だ」「格式を重んじ過ぎている」
と言う人もいますし、「ずっとお高く止まって
いては、お客を失い、先細りしていく」と
経営の危うさを指摘する人もいます。
確かに、世の中のほとんどの人は新規客で
ある「一見さん」なので、新規客を無視
してやっていくのは難しいように思えます。
では、なぜ「一見さんお断り」なのでしょう
か? 経営コンサルタントの小宮一慶さんは
著書で、「新規営業のうまい会社」を
考えれば、その答えが見えてくると言います。
一方、京都のお茶屋さん。実は300年以上の
歴史があり、江戸時代から現代まで繁栄
し続けている店もあります。
お茶屋さんのビジネスの基本は、顧客一人
当たりの生涯価値を上げることと、 信
用出来る人の紹介です。
入り口で「一見さんお断り」のフィルターを
かけることで、一人ひとりのお客様を誠心
誠意込めてもてなし、顧客一人当たり
の生涯価値を上げることに集中できます。
価値を分かってくれる客を相手に、高額な
サービスを提供することができるわけですね。
さらに、原則はツケ払いですが、信用できる紹介の
人を相手にしているため、リスクを抑えつつ単価
を上げることができます。(トラブルが起き
た時は紹介者が責任を負うため、紹介
する側もされる側も緊張感を持ち、
お店にとって「いいお客」であろうとします。)
こうしたシステムのおかげで、お茶屋さんは、
安心して、信頼関係に基づく長いお付き
合いをしていくことができます。
そして、お客様が気持ちよく楽しく過ごせる
ように、最高のおもてなしをするから、また
いいお客さんが集まってくる「無限の
連鎖」が生まれるというわけです。
つまり、300年以上続くお茶屋さんは、常連客と
紹介客こそがビジネスの根本であり、そのほう
が結果的に安定したビジネスが作れるという
ことを、長い経験から知っているのです。
ダン・ケネディ『常連システムの作り方』
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝!