倭寇みたいな辺境の人はすごくバイタリティがある 第 3,028 号

 常識が覆され、新たな知が拓かれるガチンコ

読書会 ! ノンフィクション作家と歴史家が、

「面白い本を読んだら誰かと語り合い

たい! 」と彼らの知性を刺激した古

今東西の本をテーマに開催した

読書会対談。

 取り上げたのは、イブン・バットゥータ『大旅行

記』、町田康『ギケイキ』など8作品。それらを

やさしく面白く読み解きながら、辺境と歴史

というふたつの視点の相乗効果は、新たな

発見を生み、既存の学説に異を唱える。

 前著『世界の辺境とハードボイルド室町時代』

同様、知的興奮に満ちた1冊。充実の脚注付き。

 ディープな本を辺境作家と歴史家が読んで

語り合った読書会の記録。

 片や学問的な視点から、内容への考察が加え

られ対象の本の魅力が再発見されていく。

 だいたいが海賊にだって家族はいる。女や子ど

もは海賊行為に参加しないわけ。

 輸送と移動のリアリティ。

 日本には、お祭りのときに神輿を出す地域と、

山車(だし)を出す地域があって、基本的

には神輿を出すのは山間部の農村で、山

車を出すのは、平野部の都会なんだと

教わったことがある。

 外交&通商のアウトソーシングを担う悪徳

エージェント。

 中世に蝦夷地や奥州に勢力を張った安藤氏が、

自分たちは、朝廷に滅ぼされた蝦夷の血を引

いている、と言ったり、前九年の合戦で負

けて死んだ俘囚の安倍貞任の子孫だと

称していることが、面白い。

 そう名乗ることで、地元からも中央政府からも、

辺境の地の代表者として認められる、という

メリットがあったみたい。だから、あえて

「自分たちは蝦夷の親分だ」ということ

を前面に出す。一種のハッタリとして。

 戦国大名だと、周防の大内氏なんかも、百済

王族の末裔だと言って、対朝鮮貿易の利権を

正当化しようとしている。

 中央政府の側にも、異民族とか異世界とは直に

接しない、という一貫した方針があったみたい。

朝鮮外交なら対馬の宗氏をエージェントにして

任せたほうがいいと。

 そうすると交渉や翻訳のテクニックが対馬に

蓄積されるので、政府が直に朝鮮とやりとり

するよりも効率的だという発想なり。外交

や通商をアウトソーシングするような感じ。

 倭寇みたいな辺境の人は、すごくバイタリティ

がある。

 源頼朝は、あえて関東の田舎者になったから

こそ、田舎者の世界でトップを張れた。

 世の中には、力で片づけなくてはいけないこと

が必ずあって、それを一手に引き受けてきたの

が武士であり、ヤクザであったという印象を

もった。中世までは、武士とヤクザは一体

だった。

 当時、鎌倉にあった頼朝邸は、御家人たちの

たまり場みたいになっていて、御家人同士が、

すごろくをして遊んだり、酒を飲んでドン

チャン騒ぎしたりしていた。

 つまり幕府は、部活やサークルの部室とか、

居酒屋とかカラオケボックスみたいな場

だったと、細川さんは書いている。

 鎌倉武士は、かなりお行儀の悪い連中だった。

くだらないことで、すぐケンカしちゃう。

高野 秀行 (著), 清水 克行 (著)『辺境の怪書。

      ハードボイルド読書合戦』

の詳細及び書籍購入はこちら ⇑

  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

スポンサードリンク

♥こちら噂の話題満載情報♥

ぜひ、いいね!を「ぽちっ」とお願いします

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください