致知出版社の人間力メルマガ 号外
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最新号で注目のJAL対談
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佐藤 信博(日本航空元副社長)
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大田 嘉仁(日本航空 元専務執行役員)
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2010年、我が国を代表する名門企業・日
本航空(JAL)が経営破綻しました。
負債総額は事業会社として
戦後最大の2兆3千億円超。
そのJALを、僅か1年で黒字化、2年半
で再上場へと導いたのが、かの
稲盛和夫氏です。
誰もが不可能と断じた再生は、いか
にして成し遂げられたのか。
稲盛氏とともに京セラから再生に臨んだ
大田嘉仁氏と、整備本部長として現場
の指揮に尽力した佐藤信博氏に
ご対談いただき、変革の
要諦を探りました。
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【大田】
利益に対する考え方も、安全に対する
考え方も、我われ京セラとはあまり
にも違うので、本当にこれが民
間企業なのかと愕然としました。
特に経営数値がなかなか出てこない
のは大きな問題でした。
幹部の人も現場の人も、
数字に全く無関心。
経営数値が公表されていませんでした
から関心の持ちようがないんです
けれども、特に問題はないん
だろうと皆思い込んでいる。
さらに問題だったのは、利益を追求
し過ぎるとろくなことがないという
考えが支配していたことです。
航空業界は特殊なところで、利益を追求
し過ぎると安全面にしわ寄せがくるし、
組合員は賃上げを要求してくるし、
国は運賃を下げろと言ってくる。
だから、利益というのは出せばいいと
いうものではないんだと。
【佐藤】
恥ずかしい話ですが、当時のJAL
ではそれが正論だったんです。
【大田】
JALも民間企業なんだから、利益を
出さなければ安全も守れないし、将来
への投資もできないし、社員の
雇用も守れない。
利益はすべての源泉なんだと盛んに説い
て回るんですけれども、JALは特殊
なんだという考えが染みついていて、
なかなか理解してもらえない。
かなり世間知らずだと思いましたね。
【佐藤】
私が稲盛さんの言葉で最初に印象に
残ったのが「利益なくして安全
なし」という言葉でした。
稲盛さんへのブリーフィング(要旨の
説明・報告)で、JALの安全は整
備担当の自分がすべて担っている
ことをお伝えしたら、JAL
の整備にはどのくらい費用
がかかっているのかと
聞かれたので、四千
億円とお答えしました。
JALは二兆円企業でしたから、その
五分の一もの大きなお金を自分たち
で動かしていたわけです。
その時に稲盛さんから、「利益なく
して安全なしなんだぞ」と言わ
れてハッとしたんです。
それまでは、飛行の安全を維持するため
には、とにかくいい部品を使って、いい
整備作業をやって、品質を高めていか
なければということで、いまにして
みれば湯水のようにお金を注ぎ
込んでいました。
利益のことは他の誰かがやってくれて
いるはずだという考え方だったんです。
★「かくてJALは甦った」の読みどころ★
・稲盛和夫を突き動かした3つの大義
・利益なくして安全なし
・転機となった「リーダー教育」
・愛情がなければ変革は成せない
☆稲盛和夫氏のJAL再建の軌跡、稲盛哲学
が分かる貴重な対談が読める
最新号「変革する」。
『致知』2018年8月号
「かくてJALは甦った」P10
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝