≪頭の構造を変えてしまうほどの勉強法≫
100年以上続く伝統薬「正露丸」の
効能を科学的に明らかにするととも
に、新たな市場開拓にも取り組む
大幸薬品社長の柴田 高さん。
若い頃から培ってこられたと
いう、その勉強法がすごい!
───────────────
柴田 高(大幸薬品社長)
×
川端 克宜(アース製薬社長)
───────────────
【川端】
柴田さんは、もともとは外科医として
ご活躍されていたそうですね。
【柴田】
私は「正露丸」の製造・販売を行う大幸
薬品創業家の三男として生まれたので
すが、幼い頃に「大幸薬品の社長に
なる」と両親に伝えたら、「老舗
に兄弟が多いのは揉め事のもとだ。
自分の道を探しなさい」と
言われました。
それで子供ながらにかっこいいと思う
仕事、パイロット、レーサー、外科
医の三択に職業を絞りましてね(笑)。
結果的に外科医になることを決め、国立
を受験する学力はなかったものの、私立
の川崎医科大に合格して進学しました。
ただ、私立といっても同級生
たちは皆優秀でした。
その中で国立の医学部に落ちて川崎医科
大に来た友人が言った「結果は能力×
時間だ」という言葉が非常に
心に響きましてね。
【川端】
結果は能力×時間。
【柴田】
というのも、私は数学の試験なんかでも、
応用になると全然だめで、多少暗記
ものができるくらいでした。
兄たちにも「高は出来が悪い」と
いつも言われていました。
それが友人の「結果は能力×時間だ」と
いう言葉を聞いて、自分のような頭の
回転の悪い人間であっても、頭の
よい人の三倍の努力をすれば
絶対に勝てるはずだと、
一日16時間の猛烈な勉強を始めましてね。
医学の知識を二度と忘れないくらいに
頭にきっちりファイリングすること
ができ、最終的に三番の成績で
卒業することができたのです。
【川端】
一日24四時間しかない中で、16
時間とはすごいですね。
【柴田】
確かに長時間の勉強は辛かったですが、
人間は辛い出来事は覚えて、楽しい
出来事はすぐ忘れてしまうでしょう?
勉強も同じで、辛い思いをして
覚えたことは忘れません。
また、ある種のコンプレックスをばねに
して人の3倍の努力をすれば、人間も
昆虫と同じように背中の殻がぱ
かっと割れ、まるで変態
するかのように頭の
構造を変える
ことができるというのが私の実感です。
『致知』2018年5月号【最新号】
特集「利他に生きる」P64
今回も最後までお読みくださり、
ありがとうございました。感謝